研究実績の概要 |
【目的】アルツハイマー型認知症は軽度認知障害の段階からバランス障害を呈することが知られているが、そのメカニズムや臨床的意義についてはほとんど明らかになっていない。本研究では、静止立位における重心動揺に着目し、アルツハイマー型認知症を有する高齢者における姿勢制御の特徴やその経時的変化を明らかにする。 【当該年度の計画と実績の概要】2022年度は上記の目的に沿って、アルツハイマー型認知症患者における重心動揺の特徴を明らかにするための解析を実施した。具体的には国立長寿医療研究センターもの忘れセンターが保有する1万件を超えるデータベースをクリーニングした後、(1)認知症の各病型(アルツハイマー型認知症, レビー小体型認知症, 血管性認知症)における重心動揺の特性認知機能正常者と比較した。また、(2)重心動揺の特性に基づく臨床診断補助の有用性について検討した。さらに、(3)アルツハイマー型認知症患者における重心動揺の経時的変化について検討した。以上の解析は、アルツハイマー型認知症患者におけるバランス障害のメカニズムや臨床的意義の解明に向けた基盤となる知見であると考えられる。 (1)の結果は第41回日本認知症学会学術集会(2022年11月/東京)にて発表するとともに(2)の結果とともに英語論文としてまとめ、現在学術誌へ投稿中である。(2)の結果は第65回日本老年医学会学術集会(2023年6月/横浜)にて発表予定である。(3)の結果は第49回日本臨床バイオメカニクス学会(2022年11月/青森)にて発表した。
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