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2022 年度 実施状況報告書

機械学習を用いた身体的個人差を考慮した高齢者歩容フィードバック訓練手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K21236
研究機関埼玉大学

研究代表者

大澤 優輔  埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (00966509)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード高齢者歩行 / 歩容 / フィードバック訓練 / 機械学習 / モーションキャプチャ / リハビリテーション
研究実績の概要

本研究の目的は,多様な歩容障害に対して,専門家の介入なく,訓練者に適した歩容訓練を行うために,身体的個人差を考慮した目標歩容自動生成手法の提案と歩容フィードバック訓練システムを開発することである.本研究では,機械学習技術を用いた歩容分類モデルを構築し,訓練者の歩容を基に,モデルが学習した特徴を活性化させた歩容を生成する.健常者群の歩容の「特徴」を含む歩容を目標値にできれば,身体的個人差を考慮した歩容訓練が可能であると期待できる.先行研究では,健常若年者による疑似高齢者歩行時の歩容データを取得し,拇指床間距離に基づく「つまずきやすさ」を指標として歩容分類を行うモデルを構築し,学習された特徴を参考に訓練者個人い適した歩容を自動生成する手法を提案した.研究期間では,地域高齢者の歩容を用いた「歩容分類モデル」の構築と運動学・力学的妥当性の検証,提案手法の即時・短中訓練効果の評価を行う.
本年度は,歩容分類モデル構築のためのデータセットを取得する実験条件について再検討し,75歳以上の健常高齢者2名(男性1名,女性1名)を対象に歩容データを取得した.実験では,実験協力者の身長・体重・筋肉量・体脂肪量などの体組成を計測した.また,実験協力者の自由歩行速度を基に複数の歩行速度条件を設定し,各歩行速度条件下において実験協力者がトレッドミル上を歩行している際の関節角度(体幹・肩・肘・股・膝・足関節)および床反力(上下・前後・左右分力)を,光学式モーションキャプチャとトレッドミルに内蔵された床反力系を用いて測定した.また,先行研究で提案した目標歩容生成手法では,人間として不自然な歩容が現れる可能性があったため,モデルの学習方法と目標歩容生成手法について検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高齢者の歩容取得実験のための,実験協力の募集と調整に時間を要している.
コロナ禍の状況を考慮し,まず先行研究で得られた健常若年者のデータに基づいて,より高精度かつ訓練者個人に最適化された目標歩容生成手法に関する検討を行った.
また,当大学で行われたセミナー(幅広い年齢が30名程度参加)において実験協力の依頼を行い,75歳以上の高齢者2名を実験協力者として実験を行った.現在はシルバー人材センター等への協力依頼を進めている.

今後の研究の推進方策

まず,地域高齢者に協力を依頼し,学習モデル構築のための歩容データを増強する.取得したデータを用いて,高齢者歩行における理想的な歩容と非理想的な歩容の特徴を学習した機械学習モデルを構築する.また,学習した特徴に基づいた目標歩容生成手法を提案し,その妥当性について検討する.さらに,提案手法を用いた歩容フィードバック訓練システムを用いた即時・短中期的な歩容訓練の訓練効果を評価する.最終的に研究成果をまとめ学術論文に投稿し,研究成果を社会に公表する予定である.

次年度使用額が生じた理由

本年度は,実験協力者および実験補助者に対する謝金,および情報収集のための学会参加費として助成金を計上していた.しかし,実験協力者の募集と調整の遅れにより,当初計画していた人数に対して実験と学会での発表が行えなかったため,当該助成金が発生した.
次年度では,まず本年度計画していた人数に対して実験を行う予定であり,そのために当該助成金を使用する予定である.また,当初の2年度目の計画通り,歩容フィードバック訓練システム用の大型ディスプレイの購入を行うとともに,2年度目に計画している提案システムによる歩容訓練効果評価実験における研究謝金,学会発表・論文投稿のための費用として翌年度助成金を使用する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Emotional Engineering, Vol. 92022

    • 著者名/発表者名
      S. Fukuda (Editor), Y. Osawa, K. Watanuki, et al.
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      Springer Cham
    • ISBN
      978-3-031-05867-7

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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