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2022 年度 実施状況報告書

脳卒中者のLate Breaking Forceが発生するメカニズムとパターン分類の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K21261
研究機関令和健康科学大学

研究代表者

大田 瑞穂  令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 助教 (20965090)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード脳卒中 / 歩行
研究実績の概要

本研究は,脳卒中者の麻痺側立脚後期に発生する制動力(Late Breaking Force:LBF)について,運動学的観点と神経学的観点から,脳卒中者のLBFメカニズムに関して検証を試みることを目的としている.
2022年度は脳卒中者(157名)の三次元動作解析による計測された歩行データの解析を行い,LBFの発生に関連する運動力学的指標として,麻痺側立脚後期における後脚肢角度と前遊脚期における麻痺側足部・下腿間同位相協調性,両側股関節逆位相協調性が関与していることが示唆されたため,学会発表および論文投稿を行った.
さらに,上記内容を踏まえて,LBFの出現条件をより明確化するために,脳卒中者の通常歩行だけではなく,最大速度歩行の計測を3次元動作解析装置にて実施し,現在45名のデータ解析が終了している.通常歩行条件から最大速度歩行条件でLBFが減少する群(25名)とLBFが増悪する群(20名)にて,運動学的変数の違いに関して検証した結果,LBFの発生に関与する麻痺側立脚後期の後脚肢角度と前遊脚期の麻痺側足部・下腿間同位相協調性,両側股関節逆位相協調性のうち,LBFが増悪する群では麻痺側足部・下腿間同位相協調性が速度変化に対応できていないことが示唆された.上記の内容に関しては論文投稿中である.
この他に,LBFの発生に関与する神経学的因子を検証するために,歩行時における下肢筋活動の計測を行っており,データ収集中である.
今後の展開としては,現在までに収集を行っているデータの解析を行うとともに,LBFを是正する条件を明確化する事を目的として,補装具や歩行補助具の使用,リハビリテーションロボットなど用いた条件にて,データ収集を行っていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的であるLBFの発生に関与する運動学的観点と神経学的観点の分析に関して,運動学的観点からの分析は終了し,さらに追加分析を行っている.また,神経学的観点に関する分析に関しては,データ収集中ではあるが,予定通りに症例数の計測は行える.

今後の研究の推進方策

脳卒中片麻痺者を対象とした測定を継続中である。測定と並行してデータ解析を実施する予定としており、おおむね予定通り進捗している。

次年度使用額が生じた理由

筋電計が円高等の原因で価格が向上し,予定よりも予算を使用した.さらに3次元動作解析装置の解析プログラムも円高等の原因で高騰したため,購入に至らなかった.本年度の使用額を含めて再度購入を予定している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Kinetic and kinematic parameters associated with late braking force and effects on gait performance of stroke patients2023

    • 著者名/発表者名
      Mizuho Ohta, Saori Tanabe, Junji Katsuhira, Makoto Tamari
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 ページ: ー

    • DOI

      10.1038/s41598-023-34904-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳卒中片麻痺者におけるLate Braking Force を決定 する運動学的要因とパターンの検討2022

    • 著者名/発表者名
      大田瑞穂, 田邊紗織, 勝平純司, 玉利誠
    • 学会等名
      第20回日本神経理学療法学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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