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2022 年度 実施状況報告書

欠測データ解析の枠組みに基づく外れ値のモデル化と偏りがなく効率的な推定量の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K21286
研究機関東京医科大学

研究代表者

原田 和治  東京医科大学, 医学部, 助教 (40964036)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワードロバスト統計学 / 欠測データ解析 / 統計的因果推論 / 順序回帰
研究実績の概要

申請者である原田は,統計的因果推論における逆確率重みづけ推定量(IPW推定量)および二重頑健推定量(DR推定量)について,密度関数のべき乗で重みづけを行うことで,外れ値にも頑健な推定量への拡張を行った.当該研究成果は2022年度はじめに Statistica Sinica 誌に受理された(なお当該雑誌は掲載の順番待ち状態になっており,実際に掲載されるのは2024年1月号の見通しである.現在は本誌が作成したプレプリントがwebsite上で公開されている.)当該研究で得た知見は,欠測データ(統計的因果推論)の枠組みと外れ値への頑健性を結びつける重要なアイデアにつながっている.申請者は引き続き検討を進め,欠測データの枠組みから外れ値に頑健な推定量を捉えなおす試みについて,理論的検討やシミュレーション実験を通して,課題の理解と解決に向けて研究を進める計画である.
なお,ロバスト統計の観点からは,目的変数を順序統計量として扱い,累積分布関数を推定対象とすることもまた,外れ値や分布形状の影響を受けにくいという意味で有力なアプローチである.例えば順序回帰モデルは通常順序性のあるカテゴリカル変数に適用されるが,それを連続変数に適用した研究も知られている.しかし,より柔軟性を確保した順序回帰モデルに対しては,説明変数の値によっては累積分布関数が非単調になるなど,問題が残されていた.当該問題に関しても,解釈性を確保しながら柔軟性を得る順序回帰モデルの研究として取り組み,成果はプレプリントとして公開済みである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

申請時には査読中であった論文が,Major Revision を経て,本年度中に採択されたものの,新環境に不慣れであった部分もあり,本課題でもっとも関心のある,欠測データの枠組みから再解釈する試みについては,具体的な成果(学会発表,論文投稿)につなげられていない.しかし,順序回帰方面での研究をはじめ,ロバスト統計の手法に関する理解は当初より深まっている.

今後の研究の推進方策

欠測データの枠組みから再解釈する試みについては,具体的な成果(学会発表,論文投稿)につなげられるよう,理論的検討やシミュレーション実験を推し進める.

次年度使用額が生じた理由

物品費については,現在使用可能なデバイスがまだ十分機能する状況であったため,ワークステーションの購入を見送ったことにより,支出が計画よりも少なかった.また,論文購入費に関しても,学内からアクセスできる文献を利用したり,著者に問い合わせるなどして,個別購入を控えることが出来たため,予定よりも少額となった.旅費・その他については,コロナ禍の影響を考慮し国外学会への参加を見送ったことや,参加予定だった主要な学会で発表予定がなかったため,本課題とは別の予算で支払ったことなどによる.次年度は国際学会(ISCB)や,国内の遠方で行われる学会に参加予定である他,ワークステーションも購入する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Outlier-Resistant Estimators for Average Treatment Effect in Causal Inference2024

    • 著者名/発表者名
      Harada Kazuharu、Fujisawa Hironori
    • 雑誌名

      Statistica Sinica

      巻: 34 ページ: 未定

    • DOI

      10.5705/ss.202021.0254

    • 査読あり
  • [学会発表] 平均因果効果の外れ値にも頑健な二重頑健推定量2022

    • 著者名/発表者名
      原田和治,藤澤洋徳
    • 学会等名
      日本計量生物学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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