パーキンソン病(PD)では錯視・幻視(VI/VH)だけでなく、身体周囲に何かが存在するような錯感覚(Presence Hallucination:PH)も頻繁に伴うが、これらに共通の神経基盤は明らかになっていない。本研究では何らかの幻覚を伴うPD患者66名を対象とし脳機能解析を行った。全員にVI/VHを認め、20名にPHを認めた。PHを伴うPD患者では体性感覚異常を高頻度に伴い(15/20, 13/46人)、より高度の前頭-側頭ネットワーク障害を認めた。本研究の成果は、PDにおける錯感覚形成に新たな視点を提供し、幻覚を誘発あるいは緩和させる手法の開発に寄与すると考えられる。
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