研究課題
<最終年度に実施した研究の成果>(1)動物園におけるサンプリング調査:天王寺動物園・天王寺高等学校との共同研究によって、昨年度から継続して、複数の動物舎におけるプランクトン調査等を行い、飼育環境・飼育動物種の違いにプランクトン組成の違いと特定の傾向を発見した。(2)ホッキョクグマの毛に定着している藻類:天王寺動物園・天王寺高等学校、島根大学との共同研究によって、日本の飼育環境におけるホッキョクグマの毛に定着する藻類の定着様式を明らかにした。また、藻類の単離および共培養実験についても成功した。(3)モバイル顕微鏡を用いた動物園における簡易的な顕微鏡法の開発:東武動物公園との共同研究によって、モバイル顕微鏡(iPadを簡易的な顕微鏡とする顕微鏡法)飼育動物の精液・血液の簡易的・即時的な顕微鏡観察法を検討した。(4)野外フィールドにおけるサンプリング調査:京都市内、大阪市内の淡水系サンプリングを行なった。特定の溜池において、新規種と想定されるスピロストマムを発見し培養確立をした。その溜池は、他の河川などから合流することのない陸水系として独立した環境だが、多くの水鳥の訪れる環境のため、溜池間における水鳥の運搬による移入の可能性と、その場において突然変異において新規系統となった可能性が考えられる。<研究期間全体を通じて実施した研究の成果>(1)微生物生態学と動物園研究の融合:天王寺動物園・天王寺高等学校との共同研究によって実施した「飼育水のサンプリング」「ホッキョクグマの毛の定着藻類」の研究は、これまで、動物園研究において見逃されてきた微生物と動物との重要な関係を明らかにする重要な研究成果となった。(2)動物園における顕微鏡法:東武動物公園との共同研究によって、これまで顕微鏡の専門家のみしか行えなかった顕微鏡法の研究・実践が、動物園において誰でも可能であることを示した。
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European Journal of Protistology
巻: 94 ページ: 126079
10.1016/j.ejop.2024.126079
日本サイエンスコミュニケーション協会誌
巻: 13 ページ: 14-21