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2022 年度 実施状況報告書

微生物発電を促進させる新しい合金負極の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K21336
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

山下 恭広  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (60547719)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
キーワード微生物発電 / アノード / 合金
研究実績の概要

微生物燃料電池の負極には主に炭素系素材が利用されているが、多くの発電細菌は酸化金属を還元する活性を持つことから、酸化金属は発電細菌と高い親和性を示し負極素材として有用であると考えられる。これまでの研究により、炎酸化ステンレス鋼が高い発電性能を示すことを発見しているが、様々な種類の合金を網羅的に性能評価した研究はない。そこで、ステンレス鋼のような複数の金属が配合されている合金に着目し、微生物燃料電池の出力を向上させる新しい金属系合金の探索を行った。本年度は、微生物燃料電池の負極に使用可能な合金素材を選定するとともに、微生物燃料電池の出力を評価した。合金素材としてはKovarとInconel X-750を用いて試験を行った。Kovarは鉄・ニッケル・コバルトを主成分とした合金であり、Inconel X-750はニッケル、クロム、鉄を主成分とした合金として知られている。試験では、何も加工を行っていない未処理合金電極と炎酸化を施した合金電極を作製し、エアカソード方式の微生物燃料電池に組み込み出力性能を評価した。合金素材KovarとInconel X-750の性能試験を行った結果、Kovarでは何も加工を行っていない未処理電極の最高出力密度は186 mW/m2、炎酸化を施した電極の最高出力密度は192 mW/m2であった。Inconel X-750では何も加工を行っていない未処理電極の最高出力密度は210 mW/m2、炎酸化を施した電極の最高出力密度は227 mW/m2であった。いずれの合金電極も未処理よりも炎酸化を施した電極の方が高出力になるという結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

微生物燃料電池の出力を向上させる新しい合金を開発するために、微生物燃料電池の電極作製及び性能評価を行うことができたことから、本年度は、研究はおおむね順調に進展した。

今後の研究の推進方策

前年度に試みた合金電極以外の性能評価を行い、高出力が得られた合金に対しては、合金表面の状態を解析するために元素マッピング解析による対象元素の化学状態などを推察し、発電メカニズムの解明に資するデータを収集する。

次年度使用額が生じた理由

理由:繰越金は、研究資材を自作する等の工夫により研究費を効率的に使用し発生した残額である。
使用計画:本研究課題の推進のため、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。次年度の研究費は、交付申請時の計画どおり、物品費等に使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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