研究課題/領域番号 |
22K21355
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
渡辺 佑基 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (60531043)
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研究分担者 |
高橋 晃周 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (40413918)
佐藤 克文 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (50300695)
坂本 健太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80374627)
青木 かがり 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (60526888)
庄子 晶子 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30792080)
高橋 英俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90625485)
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研究期間 (年度) |
2022-12-20 – 2029-03-31
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キーワード | 海洋動物 / 行動 / 生理 / 環境応答 |
研究実績の概要 |
本研究プログラムは令和5年1月から始まったため、令和4年度の実質的な研究期間は3カ月間弱であった。その間、今後の進め方についてチームで話し合い、研究環境を整え、また一部の野外調査を実施した。野外調査としては、研究分担者(高橋晃周)が博士課程大学院生1名と共に、海外研究協力者(Dan Costa教授、カリフォルニア大学サンタクルーズ校)の研究室を訪れ、現地でキタゾウアザラシの調査を実施した。海岸でアザラシを捕獲し、深度や温度等の基礎的なパラメータに加えて海中の溶存酸素量を計測する独自の機器を取り付けた。今後、アザラシが回遊から帰ってきた際に、Costa教授のグループが機器を回収する予定である。また、別の海外研究協力者(Patrick Miller教授、セントアンドリュース大学)が来日し、研究代表者の所属機関である国立極地研究所に10日間ほど滞在した。Miller教授は、複数の研究分担者が所属する東京大学大気海洋研究所も訪れ、クジラ類の行動と海中騒音との関連についてのデータ解析や今後の調査計画について話し合った。また、海中の溶存酸素量がサメ類に与える影響を研究している大学院生(Ivo Costa氏、ポルト大学)をポルトガルから日本に招聘し、2週間ほど国立極地研究所に滞在してもらった。滞在中は、研究代表者、研究分担者の他に日本の大学院生をも交えて、海中の溶存酸素量がサメ類に与える影響の評価方法や今後の調査計画について議論した。さらに研究代表者は、バイオロギング手法を用いた海洋生物の生態研究に関し、歴史的経緯、今までの主要な発見、将来の課題等をレビュー論文としてまとめ、Annual Review of Animal Biosciences誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、海外での野外調査および若手研究者の海外派遣が順調に実施できている。また、海外の研究協力者(大学院生を含む)が来日し、日本の研究者や大学院生と交流して議論を交わす環境もできている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も予定通りに研究を進めていく。世界の各地で野外調査を実施し、海洋高次捕食動物にバイオロギング機器を取り付け、行動や生理と各種海洋環境ストレッサーとの関わりを調べる。博士課程大学院生に海外調査の機会を与えるとともに、ポスドクを雇用して海外に派遣し、人材育成をはかる。バイオロギングの技術を核とした国際ネットワークを強化しながら、海洋環境ストレッサーの研究をグローバルスケールで進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年4月1日付で、研究代表者および研究分担者の1人が別の研究教育機関に移ることが決まった。異動に備えて研究機器の導入や野外調査の一部を控えたため、当初の予定よりも支出が減った。次年度以降は研究環境が落ち着くため、予定通り野外調査を実施し、様々な海洋高次捕食動物にバイオロギング機器を取り付け、データを蓄積していく予定である。
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