当該年度に得られた成果は下記の通りである。1)バングラデシュの各地から家畜の血液サンプル(627検体)とマダニサンプル(5116検体)を採集し、血液・マダニ体内に生息しているマダニ媒介病原体を検出した。2)サンプル採取地域では、畜産農家からマダニ媒介感染症の被害状況について聞き取り調査を行ったところ、いずれの地域においてもマダニ媒介感染症の被害が深刻であることが判明した。主なマダニ種はHaemaphysalis bispinosa、Rhipicephalus microplus、 R. sanguineus、Dermacentor auratusであることが初めて判明した。3)これらのマダニからは、バベシア属、タイレリア属、アナプラズマ属、エーリキア属の病原体が多く検出され、これらの地域においてマダニ媒介感染症が深刻に流行していることが示唆された。
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