研究実績の概要 |
本研究では、選択的に単一生細胞のラマンスペクトルを計測できるような、バイオ・ラマン顕微鏡を構築、カスタマイズする。計測したデータは複雑で大量な多変量なので、このビッグデータを解析する方法を新規に開発することで、刺激応答型ドラッグデリバリーを想定した、バイオ・ラマン計測解析システムの実現を目指した。培養細胞系等、基礎的な生物学的環境をセットアップを行った。次に、100倍対物レンズを導入する等により、高効率なバイオ・ラマン計測の実現を目指した。時系列ビッグデータを解析する手法、純スペクトル成分を推定する解析法等の開発を試みた。具体的には、非負因子分解(NMF)の新しい方法論を開発した。これまで、NMFによるスペクトル分解の結果はもっともらしい幾つかの可能性を示すのみであったが、この新しい方法は、物理的に最も確からしいスペクトルへの分解を可能にした。この成果について、Bio-Raman non-negative matrix factorization: its practical methodologyという題名で, Applied Physics Express (APEX)誌に報告した。
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