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2022 年度 実績報告書

強磁性ワイル半金属のトポロジカルおよび量子効果の開拓とスピントロニクス素子応用

研究課題

研究課題/領域番号 22F32037
配分区分補助金
研究機関東北大学
受入研究者 深見 俊輔  東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60704492)
外国人特別研究員 HAN JIAHAO  東北大学, 電気通信研究所, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-07-27 – 2024-03-31
キーワードスピントロニクス / ワイル半金属 / ノンコリニア反強磁性
研究実績の概要

ワイル半金属Mn3Snの新奇物性に基づく新機能デバイスの創製に向けた材料・素子研究を行った。Mn3Snと非磁性重金属の積層構造において、非磁性重金属が生成するスピン軌道トルクがMn3Snに働くメカニズムを、交流電流を用いた磁気トルク測定や直流電流を用いた磁化反転測定などから明らかにした。Mn3Snのカイラルスピン構造で形成される磁気秩序はオクタポールと呼ばれるカイラルスピン構造の各副格子のスピン磁気モーメントの対称性を反映した線形結合で与えられる物理量によって特徴づけられ、これによって強磁性体の磁化とのアナロジーを働かせることができると考えられていた。しかし本研究からオクタポールはスピン軌道トルクに対して強磁性体の磁化とは異なる振る舞いを示すことが明らかになった。またここから発展させてオクタポールに働くトルクを定量評価した。
この他、Mn3Snのカイラルスピン構造の回転運動や磁区構造に関連した研究を進め、従来研究では明らかになっていなかったスピン構造やスピン輸送特性に関する知見を得るための試料作製条件、実験条件などを確立した。
また、反強磁性体中でのコヒーレントなスピンダイナミクスに関する先行研究をまとめ、「Coherent Antiferromagnetic Spintronics」と題したレビュー論文を借りふぉるにだが医学リバーサイド校、マサチューセッツ工科大学の研究者と連名で執筆し、3月にNature Materials誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ワイル半金属を用いた新規スピントロニクス現象とその機能性素子応用に向け、従来の理解にない知見が創出されており、研究計画通りに進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

得られた知見の論文化に取り組むとともに、ワイル半金属と強磁性体や非磁性体を組み合わせた様々な系を作製して、磁気特性、磁気輸送特性、電流誘起スピンダイナミクスなどを測定し、ワイル半金属のトポロジカルなバンド構造が創発する新奇物性を明らかにし、機能性素子としての有用性や、応用に向けた材料・素子設計指針を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Massachusetts Institute of Technology/University of California, Riverside(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Massachusetts Institute of Technology/University of California, Riverside
  • [雑誌論文] Coherent antiferromagnetic spintronics2023

    • 著者名/発表者名
      J. Han、R. Cheng、L. Liu、H. Ohno、S. Fukami
    • 雑誌名

      Nature Materials

      巻: 22 ページ: (1)-(12)

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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