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2021 年度 実績報告書

レム睡眠中のダイナミックな脳血流制御のメカニズムと意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21F21109
配分区分補助金
研究機関筑波大学

研究代表者

林 悠  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)

研究分担者 TSAI CHIA-JUNG  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2021-04-28 – 2023-03-31
キーワード睡眠 / マウス / 皮質血流
研究実績の概要

我々は、マウスにおいて、レム睡眠(急速眼球運動睡眠)中に大脳皮質の広範な領域で毛細血管の血流が大きく上昇することを見出している。本研究において、今年度は、そのメカニズムを解明するにあたり、これまでに、特定のGタンパク質共役型受容体(GPCR)が関与することを発見したことを踏まえて、研究を進めた。まず、当該GPCRが発生過程で機能するのか、それとも成体期に機能するかを検討するために、当該GPCRの作動薬を成体期に投与し、睡眠中の大脳皮質の毛細血管血流への影響を二光子励起顕微鏡を用いて調べた。その結果、毛細血管血流が亢進することが判明した。従って、当該GPCRは成体期に働き、レム睡眠中に起こる血管拡張そのものに直接かかわっている可能性が示唆された。また、レム睡眠中の大脳皮質の血流上昇が起こることがどのような生理的意義を持つかについても調査を開始した。毛細血管血流が栄養の供給や老廃物の除去に重要である可能性を踏まえ、こうした機能の低下に由来する可能性のあるいくつかの精神・神経疾患に注目し、それぞれのモデルマウスにおける大脳皮質の毛細血管血流を観測した。その結果、特定の精神・神経疾患のモデルマウスにおいて、レム睡眠中の毛細血管血流が対照群とは異なることが判明した。なお、これまでに得られていた研究成果の一部について、国際的な科学誌で発表した(Tsai et al., Cell Reports, DOI 10.1016/j.celrep.2021.109558, 2021)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに研究を進めることができた。また、研究成果について科学誌に発表することもできた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りに研究が進んでいることを踏まえて、引き続き、研究計画に則って研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Cerebral capillary blood flow upsurge during REM sleep is mediated by A2a receptors2021

    • 著者名/発表者名
      Tsai Chia-Jung、Nagata Takeshi、Liu Chih-Yao、Suganuma Takaya、Kanda Takeshi、Miyazaki Takehiro、Liu Kai、Saitoh Tsuyoshi、Nagase Hiroshi、Lazarus Michael、Vogt Kaspar E.、Yanagisawa Masashi、Hayashi Yu
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 36 ページ: 109558~109558

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2021.109558

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28   更新日: 2023-08-01  

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