• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

水素社会の実現に向けたメチルシクロヘキサンからの触媒的脱水素反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0093
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

金井 求  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (20243264)

研究分担者 JAGTAP RAHUL  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード触媒 / アルカン / 脱水素
研究実績の概要

水素社会の実現には、水素の貯蔵・輸送といったインフラの整備が重要であり、有機ハイドライドが水素キャリアとして注目されている。中でもメチルシクロヘキサンは水素貯蔵量や利便性から有望な水素キャリアであり、大規模スケールでの実証実験が行われている。水素キャリアに対する水素付加反応は工業的にも確立されている一方、その逆反応である水素放出プロセスは比較的未開拓な分野である。本反応が難しい理由として、水素放出を伴う結合の不飽和化は一般的に熱力学的に不利な過程であるという点、有機化合物の不活性なC-H結合を活性化する必要がある点が挙げられる。そのため既存の方法では貴金属触媒を用い、高温条件で水素を系外に放出しながら反応を行う方法が主流である。そこで今回、有機水素キャリアであるメチルシクロヘキサンから温和な条件かつ貴金属フリーで脱水素反応を進行させる触媒系を確立することを目指す。
本年度は、有機水素キャリアであるメチルシクロヘキサンから温和な条件で脱水素反応を進行させる触媒系を確立することを目指して研究をおこなった。その結果、塩化物イオン、チオリン酸、イリジウム光触媒、コバルト脱水素触媒の4種類の触媒をシステムとして組み合わせることで、目的を達成した。特に、クロルラジカルによるメチルシクロヘキサンからのC-H結合引抜きとチオリン酸ラジカルによるシクロヘキセン中間体からのC-H結合引抜きの双方を触媒系に導入した、ダブルHAT触媒が有効であることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Double Hydrogen Atom Transfer Strategy for Catalytic Acceptorless Dehydrogenation of Cycloalkanes2024

    • 著者名/発表者名
      Jagtap Rahul、Nishioka Yuki、Geddis Stephen、Irie Yu、Masaaki Fuki、Kobori Yasuhiro、Adachi Rintaro、Yamakata Akira、Mitsunuma Harunobu、Kanai Motomu
    • 雑誌名

      ChemRxiv

      巻: XX ページ: 1-12

    • DOI

      10.26434/chemrxiv-2024-s5n5v

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Catalytic Activation and Functionalization of Hydrocarbons2023

    • 著者名/発表者名
      Motomu Kanai
    • 学会等名
      UK-Japan Symposium
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Catalytic Activation and Functionalization of Hydrocarbons2023

    • 著者名/発表者名
      Motomu Kanai
    • 学会等名
      3rd Japanese-Spanish Symposium on Organic Synthesis
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 金井研HP

    • URL

      https://gousei.f.u-tokyo.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi