研究実績の概要 |
セラミック材料(Al2O3, AlN, Si3N4, ZrO2等)は, 熱的, 力学的, 化学的および電気的に優れた特性を有し, 最先端製品の製造に広く用いられている.既存のフェムト秒レーザ加工法によるセラミック材料の加工は, 低いエネルギ効率および局所的なマイクロクラックの発生により, 高効率, 高精度, 高品質な加工を実現できていない.本研究は, 局所的かつ過渡的な光誘導結晶粒界変化のメカニズムに基づいて, セラミック材料の表面付近でのフェムト秒レーザの散乱を取り除き, 高密度微細スケールの電子励起領域(金属相)発生の制御を実現することで, 最終的にセラミック材料の高速精密微細加工の実現を目指す.
今年度は,セラミック加工の超高速観察プラットフォームおよびダブルパルスフェムト秒-マイクロ秒レーザ加工プラットフォームを構築した.ポンプ-プローブ法などの超高速観察技術を改良し,フェムト秒レーザ照射時のジルコニアセラミック内部の電子励起領域(金属相)の生成と発展過程を明らかにした.また,実験によって,セラミックの表面散乱を低減させ、高密度微細電子励起領域を誘導することに成功した.さらに,超高速カメラ観察技術を使用して,セラミック材料のダブルパルスフェムト秒-マイクロ秒レーザ加工の材料除去メカニズムを明らかにし,セラミック材料の加工効率を大幅に向上さた.従来のフェムト秒レーザ加工と比較して,加工効率は5000倍以上に向上した.
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