研究課題/領域番号 |
22KF0118
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鹿園 直毅 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30345087)
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研究分担者 |
LYU ZEWEI 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | 燃料電池 |
研究実績の概要 |
固体酸化物形燃料電池は高温で作動するため,長期運転時の信頼性を確保することがその普及のための大きなハードルとなっている.特に,高電流密度時および高燃料利用率時の電極劣化メカニズムを理解し,劣化を抑制することは極めて重要である.本研究では,Electrochemical Impedance Spectroscopy (EIS)解析, 共焦点イオンビーム走査型顕微鏡 (FIB-SEM),機械学習による画像処理等を駆使することで,電極反応機構と電極構造変化の 相関を定量的に評価し,メカニズム解明と劣化防止に寄与する知見を獲得することを目的として実施している.本年度は,Long Short Term Memoryネットワークを用いて,電圧変化波形および電気化学インピーダンス波形の予測を行う.その際のネットワークの構成およびパラメータの検討を行った.LSTMにおいて,周波数方向の波形データ,および時系列方向の波形データの両者を用いてインピーダンスの長期予測を行ったところ,インピーダンス波形の予測には周波数方向が,電流電圧カーブについては時系列方向の予測精度が高いことが分かった.性能劣化は,三相界面(Triple Phase Boundary)近傍での燃料極反応速度の劣化が支配的であり,続いて空気極の酸素還元反応が不活性化し,オーミック抵抗が増大することが要因であることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習の一つであるLong Short Term Memoryネットワークによる予測は順調であり,これまで蓄積された実験データを良好に予測することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,炭化水素燃料を用いた場合の劣化要因である燃料極中の炭素析出について,検討を行う予定である.
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