研究課題/領域番号 |
22F22064
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
長津 雄一郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60372538)
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研究分担者 |
PATMONOAJI ANINDITYO 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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キーワード | Viscous fingering |
研究実績の概要 |
本年度の数値計算では以下の結果を得た。2流体および3流体系のデュアルディスプレイスメントフロントにおけるViscous fingering (VF)相互作用の安定性ダイナミクスを、粘性構成を変化させた数値シミュレーションによって初めて探求した。界面開始時間、指の速度、および有限スライスのブレークスルー時間を用いて、我々は初めて、有限スライスとバルク流体の様々な粘性構成による二重置換フロントにおけるVF相互作用の安定性ダイナミクスをモデル化しマップ化した。この新しいコンセプトから生まれたモデルとマップは、今後さらに発展させ、様々な構成のデュアルディスプレイスメントフロントの安定性ダイナミクスを探求し、デュアルディスプレイスメントフロントを活用する様々なアプリケーションに戦略的な利益をもたらすことができると考えている。したがって、本研究は、このようなVF相互作用からの安定性ダイナミクスモデルとマップの最初の探求と発見となるものである。 本年度の置換(掃攻)実験では、置換液は油を用いた。第1の置換液は、ポリアクリル酸(PAA)水溶液である。反応性の場合、第二の置換液は水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液である。この場合、PAA溶液とNaOH溶液の混和界面付近で粘度が上昇する。非反応型では,第2置換液は水であり,置換液と第1置換液は反応系と同じである。非反応性系と反応性系における置換の結果を、第2置換溶液の最も長い指がオイルとPAAの界面に到達した時間tbにおける置換パターンで比較する。tbが長いということは、第2置換溶液が第1置換溶液PAAをより効率的に置換していることを意味する。この時間tbは,反応系では非反応系に比べて約20%長くなった。これは、第二の置換液がポリマー溶液を置換することができる期間が20%増加することを意味する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値計算は、Physical Review Lettersに論文投稿に値する結果が得られた。実験に関しては、論文投稿までには、より多くの条件による実験が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
三次元多孔質媒質(現有)での流動置換(掃攻)実験を行い、ヘレ・ショウセル、および二次元多孔質媒質を用いた流体置換実験から得られた実験結果と比較検討し、三次元の影響を調べる。この三次元実験では、X線CTによる内部流動の解析を行う。これは当該研究員の出身研究室である東京工業大学・末包哲也研究室の装置を用いて行う。同様に実験研究と並行して数値計算研究を行う。先述の数値計算はニュートン流体系について行うが、2023年度は非ニュートン流体系について取り組む。
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