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2021 年度 実績報告書

オンチップ・デバイスを用いた多彩な波長域のリアルタイム・デュアルコム分光の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21F21363
配分区分補助金
研究機関電気通信大学

研究代表者

美濃島 薫  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20358112)

研究分担者 TIAN HAOCHEN  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2021-11-18 – 2024-03-31
キーワードOptical frequency comb / High repetition rate / Fiber laser / Carrier envelope offset / Supercontinuum / Dual-comb
研究実績の概要

高繰り返し750MHz Ybファイバコムにおいて、高SNRで効率的なキャリアエンベロープオフセット周波数ビート信号の検出を実現した。まず、レーザー発振器からの光パルスを増幅し、コヒーレントなスーパーコンティニューム光を発生した。マルチモード光励起の偏波保持型Ybドープファイバ増幅器を用いることで、パワースケーリングを実現するとともに、増幅パルスの環境安定性を向上させた。9Wのマルチモードポンプ,ポンプコンバイナ,ダブルクラッドYbファイバから構成されている。Ybファイバコムからの光パルスのパワーは300mWから1Wに増幅され、対応するパルスエネルギーは0.4nJから1.3nJに増加した。増幅されたパルスは、さらにグレーティングペアを用いてフーリエ変換限界まで圧縮し、ピークパワーを増加させた。パルス圧縮後のパルス幅は120fsで、10kWのピークパワーに相当する。圧縮の効率は80%以上である。フォトニック結晶ファイバに入力し、高効率かつ高コヒーレンスな波長650 nmから1300 nmのオクターブ帯域に広がったスーパーコンティニューム光を発生させた。このスーパーコンティニューム光を用いて、750MHzの光周波数コムにおけるキャリアエンベロープオフセット周波数ビートをシリコンアバランシェ光検出器で検出した。ビート信号のSNRは100 kHz RBWで30 dB以上である。テーパー付きフォトニクス結晶ファイバと導波路型の非線形光学結晶PPLNについて、異なるタイプの組み合わせをいくつか試した。最終的に、ビート信号を検出し、そのSN比と位相雑音を測定した。フリーランの位相雑音パワースペクトル密度は、オフセット周波数100kHzで-50dBC/Hz、オフセット周波数1kHzで-10kHz dBcとなり、低雑音な信号が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高繰り返し750MHzのYbファイバコムの制御性の向上のために、本年度の目標であった、光コムのキャリアエンベロープオフセットビート信号の検出に必要な1オクターブに及ぶコヒーレントな広帯域光を発生させることができた。テーパー型の光ファイバや導波路型結晶の検討を行うと同時に偏波保持ファイバ光学系を導入し、高効率かつ環境安定性を向上させた。また、発生効率を向上させるため、パルスのチャープ補償を行ってパルス幅を圧縮し、パルスのピーク高強度化を行った。最終的に、キャリアエンベロープオフセットビート信号の検出を行うことができ、そのSN比や位相ノイズの測定評価を行うところまで進捗した。

今後の研究の推進方策

今後は以下の手順で研究を推進する。
まず、発生させたキャリアエンベロープ信号を低ノイズマイクロ波周波数基準へ位相同期する。次に、750MHzコムと狭線幅CWレーザー間のビート信号を検出する。低ノイズマイクロ波周波数基準へのコムとCWレーザー間のビート信号の位相同期を行う。さらに、ある繰り返し周波数の差でデュアルコムシステムを構築する。そして、完全位相同期後の近赤外波長域における2つのコム間の相互干渉の評価し、デュアルコム分光システムとしての性能を評価する。
これらの成果を、国際会議・学術誌に発表する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] ヴロツワフ科学技術大学(ポーランド)

    • 国名
      ポーランド
    • 外国機関名
      ヴロツワフ科学技術大学
  • [学会発表] 双方向動作型モード同期ファイバレーザーを用いた高速かつ簡便な中赤外域デュアルコムガス分光2022

    • 著者名/発表者名
      李 嘉杰, 浅原 彰文, Tian Haochen, 吉井 一倫, 加藤 峰士, 中嶋 善晶, 美濃島 薫
    • 学会等名
      第69回応用物理学会春季学術講演会
  • [学会発表] デュアルコムレーザーにおける簡便な選択的位相活用分光2022

    • 著者名/発表者名
      遠藤 健, Tian Haochen, 浅原 彰文, 美濃島 薫
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第42回年次大会

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公開日: 2022-12-28   更新日: 2023-08-01  

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