研究課題/領域番号 |
22F22331
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小関 健太 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (10649122)
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研究分担者 |
LO ON HEI SOLOMON 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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キーワード | Hamilton cycle / polyhedral graph |
研究実績の概要 |
与えられたグラフにおいて,その頂点数に比べて十分に長い閉路を見つける問題は,グラフ理論における重要な研究対象だが,非常に難しい問題であることが知られている.多面体的なグラフにおいて (1)指定した長さの閉路を見つける, (2)十分に長い閉路を1つではなくもっと多く見つける,など,より強い性質に関しての重要な未解決問題の解決を目指すことが本研究の目的である. 2022年度は,Lo氏と申請者および東京理科大学の野口氏との議論により,閉路の長さの種類に着目した成果を得ている.これは,「閉曲面上の多面体的グラフにおいては,どのような自然数k に対しても,k~2k+4 のいずれかの長さの閉路が存在する」という定理で,球面において知られていた定理を一般の閉曲面へと拡張した成果である.球面上のグラフと閉曲面上のグラフの性質の差を知るためには重要な成果で,今後の研究につながるものであると考えている.この成果は,現在論文を執筆している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2022年11月より開始したものであり,2022年度は5か月間しか研究を行えなかったが,上記した成果を残しているため.
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今後の研究の推進方策 |
上で述べた2022年度の成果により,閉曲面上のグラフにおける閉路の分布の道筋が見えたため,2023年度は,この成果をもとに,球面の多面体的グラフについて知られている様々な性質を,閉曲面上の多面体的グラフへと拡張することを目指す. Tutte はある種の多面体的グラフにハミルトン閉路 (グラフの全頂点を通る閉路) が存在することを示し,その後,申請者らによって,多面体的グラフのハミルトン性の研究が進んできたが,指定した長さの閉路の存在に関す Malkevitch予想は未解決問題として残されている.特に十分に長くハミルトン閉路に近い閉路の存在性ですら未解決である.特別研究員の Lo氏はこれに関しての成果を残されているため,申請者のハミルトン閉路に関しての知見と合わせて,この予想の解決を目指す.この研究は,特別研究員と申請者のそれぞれになじみが深く,その強みが十分に使えると考えられるため,これを2023年度の目標とする.この研究は,Qing Cui教授 (Nanjing University of Aeronautics and Astronautis),Emma Yu Jin 教授 (Xiamen University) ,Xuding Zhu 教授 (Zhejiang Normal University) ら海外の研究者らとの議論によって進める予定である.
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