研究課題/領域番号 |
22F42006
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
奈良間 千之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50462205)
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研究分担者 |
DAIYROV MIRLAN 新潟大学, 自然科学系, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2022-09-28 – 2025-03-31
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キーワード | 氷河湖 / 氷河湖決壊洪水 / UAV / モレーン / 天山山脈 |
研究実績の概要 |
過去から現在までの氷河湖とその周辺の地形変化を調べるため,1960~1970年代に取得されたCorona衛星のステレオ画像データとMetashape(SfMソフト)を用いて,キルギス山脈とテスケイ山脈のオルソ画像とDSMを作成した.オルソ画像から当時の氷河湖データを作成し,2000年のLandsat-4/5/7,2021年のPlanetとSentinel-2の衛星画像を用いて,3時期の氷河湖の位置と氷河湖が形成されるモレーンコンプレックスの地形変化を調べた. 短命氷河湖の形成環境を調べるため,昨年の9月に現地調査をおこなった.近年大きく面積が変化するテスケイ山脈のトゥップ氷河湖1,2において,水位計と地温計の設置,ドローン空撮,GPSによる氷河湖範囲の計測をおこなった.また,同山脈のコルムドゥ氷河湖に自動気象観測機器を設置し,氷河上でドローン空撮,氷河の融解量観測のためのステークを5本設置した.また,コルムドゥ氷河湖,ゴルトール氷河湖1,2でドローン空撮と水位計を設置した.2017年に氷河湖決壊洪水を起こしたキルギス山脈のチェレクトール氷河湖において,水位計と地温計の設置,ドローン空撮,GPSによる氷河湖範囲の計測をおこなった. また,キルギス山脈における近年の氷河湖変動を分類し,その面積変動の特徴を記した内容の投稿論文がFrontiers in Earth Scienceに掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
8月に来日して9月に現地調査を実施した.現地調査はコロナ禍以来の2週間の調査だったが,ドローン空撮や水位計の設置など来年度につながる観測機器を設置できた. 現地調査から帰国後,大学の研究室において,キルギス山脈とテスケイ山脈のCorona衛星画像のオルソ画像とDSMの作成に取り組み,1960年代~現在までの氷河湖分布やモレーンコンプレックスの地形変化についてのデータを得ることができた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の7月に現地調査を予定しており,昨年度に氷河湖に設置した自動気象観測機器,水位計,タイムラプスカメラのデータ回収,ステークの再測をおこなう.テスケイ山脈のトゥップ氷河湖1,2において,地中レーダー探査と二次元電気比抵抗探査を実施し,モレーンコンプレックの内部構造を調べる. 大学の研究室では,キルギス山脈とテスケイ山脈の氷河湖を対象に,ALOS-2のマイクロ波データを用いて差分干渉SAR解析を実施し,モレーンコンプレックスの地形変化の詳細を調べる予定である.
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