• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

Wnt蛋白質の勾配が脳のカラム構造の方向性を制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22F32073
配分区分補助金
研究機関金沢大学

研究代表者

佐藤 純  金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30345235)

研究分担者 WANG MIAOXING  金沢大学, 新学術創成研究機構, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-09-28 – 2025-03-31
キーワードカラム構造 / ショウジョウバエ / 視覚中枢 / Wnt / PCP
研究実績の概要

脳の高次機能は多数の神経細胞から成る精密な神経回路によって実現する。一方、複数の神経細胞が円筒状に集積したカラム構造が脳の機能単位として働くことが知られているが、カラムの形成機構はほとんど分かっていない。本研究ではカラム内における個々の神経細胞の位置や極性を制御する機構を、Wntファミリーの分泌タンパク質の働きに着目して解明する。
Wntリガンドは平面細胞極性(PCP)を制御することがハエの翅を用いた研究から明らかにされているため、PCP制御分子の細胞内局在がWntによってどのように制御されるか明らかにすることで、Wnt/PCPシグナルによるカラム形成機構を解明する。一般的に、Wntリガンドの細胞外勾配は、PCPタンパク質の非対称な分布を通してPCPシグナルを制御すると考えられてきた。しかし、最近の研究では、Wnt リガンドはハエの翅のPCPに必要ないことが議論されている。一方、我々の以前の研究では、Wntリガンドの変異体では神経細胞の極性異常が見られることが明らかになった。本研究では、ハエの脳をモデル系として用い、Wntリガンドが神経発生においてどのようにPCPシグナルを制御しているのか特に、これら蛋白質の細胞内局在の変化に着目して解明する。
Wntリガンドが広範囲に渡って神経細胞の方向性を決定するメカニズムを明らかにするため、これまでにWntリガンドの受容体およびその下流で働くFz1, Fz2, Vangの細胞内局在を着目している細胞種特異的に可視化するGFPノックイン系統を作成した。しかし、蛍光シグナルが非常に弱かったため、GFPのコピー数を増やした新たなノックイン系統を作成を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Wntリガンドの受容体およびその下流で働くFz1, Fz2, Vangの細胞内局在を着目している細胞種特異的に可視化するGFPノックイン系統を作成したが、蛍光シグナルが非常に弱かったため。

今後の研究の推進方策

GFPをN末側、C末側の2つに分けて発現させることで、細胞種特異的にこれら分子を標識する系統を作成する。この時 、GFPのC末端側のコピー数を増やすことで蛍光シグナルの増強が見込まれる。このようにして、Fz1, Fz2, Vangについて改変型GFPノックイン系統を作成する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative analysis of the roles of <scp>IRM</scp> cell adhesion molecules in column formation in the fly brain2022

    • 著者名/発表者名
      Lee Yunfei、Wang Miaoxing、Imamura Kousuke、Sato Makoto
    • 雑誌名

      Development, Growth &amp; Differentiation

      巻: 65 ページ: 37~47

    • DOI

      10.1111/dgd.12834

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tiling mechanisms of the Drosophila compound eye through geometrical tessellation2022

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Takashi、Tomomizu Takeshi、Sushida Takamichi、Akiyama Masakazu、Ei Shin-Ichiro、Sato Makoto
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 32 ページ: 2101~2109.e5

    • DOI

      10.1016/j.cub.2022.03.046

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cutting edge technologies expose the temporal regulation of neurogenesis in the <i>Drosophila</i> nervous system2022

    • 著者名/発表者名
      Sato Makoto、Suzuki Takumi
    • 雑誌名

      Fly

      巻: 16 ページ: 222~232

    • DOI

      10.1080/19336934.2022.2073158

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Bi-directional Eph/Ephrin signaling organizes the columnar structure under the control of Neurexin in the fly brain2022

    • 著者名/発表者名
      Wang Miaoxing、Sato Makoto
    • 学会等名
      Japanese Society of Developmental Biologists
  • [図書] Getting Started in Mathematical Life Sciences ~From MATLAB programming to computer simulations~2023

    • 著者名/発表者名
      Sato Makoto
    • 総ページ数
      204
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-981-19-8256-9
  • [備考] 複眼のタイリングメカニズム

    • URL

      http://fsosato.w3.kanazawa-u.ac.jp/res_eye.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi