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2023 年度 実施状況報告書

Wnt蛋白質の勾配が脳のカラム構造の方向性を制御する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0151
配分区分基金
研究機関金沢大学

研究代表者

佐藤 純  金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30345235)

研究分担者 WANG MIAOXING  金沢大学, 新学術創成研究機構, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワードWnt / PCP / カラム構造 / ショウジョウバエ / 視覚系
研究実績の概要

脳の高次機能は多数の神経細胞から成る精密な神経回路によって実現する。一方、複数の神経細胞が円筒状に集積したカラム構造が脳の機能単位として働くことが知られているが、カラムの形成機構はほとんど分かっていない。本研究ではカラム内における個々の神経細胞の位置や極性を制御する機構を、Wntファミリーの分泌タンパク質の働きに着目して解明する。Wntリガンドは平面細胞極性(PCP)を制御することがハエの翅を用いた研究から明らかにされているため、PCP制御分子の細胞内局在がWntによってどのように制御されるか明らかにすることで、Wnt/PCPシグナルによるカラム形成機構を解明する。
Wntリガンドが広範囲に渡って神経細胞の方向性を決定するメカニズムを明らかにするため、Wntリガンドの受容体およびその下流で働くFz1, Fz2, Vangの細胞内局在に着目する。これらの遺伝子に対して細胞種特異的に蛍光タグが付加されるノックイン系統を作成したが、蛍光シグナルが非常に弱かったため、GFPをN末側、C末側の2つに分けて発現させることで、細胞種特異的にこれら分子を標識する系統を作成した。この時 、GFPのC末端側のコピー数を増やすことで蛍光シグナルの増強が見込まれる。このようなトランスジェニック系統を作製し、実際に蛍光強度が増幅されていることを確認した。また、これら新しい系統によって得られるGFPシグナルのパターンは抗体染色や従来のノックイン系統と類似していることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Wntリガンドが広範囲に渡って神経細胞の方向性を決定するメカニズムを明らかにするため、Wntリガンドの受容体およびその下流で働くFz1, Fz2, Vangの細胞内局在に着目する。これらの遺伝子に対して細胞種特異的に蛍光タグが付加されるノックイン系統を作成したが、蛍光シグナルが非常に弱かったため、GFPをN末側、C末側の2つに分けて発現させることで、細胞種特異的にこれら分子を標識する系統を作成した。この時 、GFPのC末端側のコピー数を増やすことで蛍光シグナルを増強することに成功した。今後はこれらの系統を用いてWntシグナルの動作機構を解析するが、全体的に予定よりも研究の進展が遅れている。

今後の研究の推進方策

これまでにWntリガンドの受容体およびその下流で働くFz1, Fz2, Vangの細胞内局在を可視化する系統を作製した。これらの系統を用いてFz1, Fz2, Vangの細胞内局在をR7, R8, Mi1, Tm3, T4/5などカラムを構成する主要な神経細胞において解析する。また、発生過程においてWnt4やWnt10といったWntリガンドの発現・局在パターンとこれら因子の局在が時間とともにどのように変化するか、解析する。Wnt4, Wnt10およびWntシグナル因子の変異体においてFz1, Fz2, Vangの細胞内局在がどのように変化するか、解析する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] From soap bubbles to multicellular organisms: Unraveling the role of cell adhesion and physical constraints in tile pattern formation and tissue morphogenesis2024

    • 著者名/発表者名
      Togashi Hideru、Davis Steven Ray、Sato Makoto
    • 雑誌名

      Developmental Biology

      巻: 506 ページ: 1~6

    • DOI

      10.1016/j.ydbio.2023.11.007

    • 査読あり
  • [学会発表] Cell-cell communications that control column formation in the fly brain2024

    • 著者名/発表者名
      Sato, M.
    • 学会等名
      The 3rd Asia Pacific Drosophila Neurobiology Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Lineage Dependent Column Formation2023

    • 著者名/発表者名
      Sato, M.
    • 学会等名
      Biwako Workshop
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Tiling mechanisms of the compound eye through geometrical tessellation2023

    • 著者名/発表者名
      Sato, M.
    • 学会等名
      Mathematical Biology from genes to cells to humans
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考]

    • URL

      https://fsosato.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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