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2022 年度 実績報告書

系統ゲノミクスで解き明かすカナリア諸島木本性ノゲシ属の適応放散

研究課題

研究課題/領域番号 22F20385
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

高山 浩司  京都大学, 理学研究科, 准教授 (60647478)

研究分担者 KIM SEON-HEE  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
キーワード適応放散 / 海洋島 / カナリア諸島 / ゲノム系統解析 / キク科
研究実績の概要

本研究では、海洋島における植物の適応放散過程を系統ゲノミクスにより明らかにする。適応放散的種分化は、非常に短いタイムスケールで進行するため、適応放散した種間の遺伝的差異のうち系統的シグナルを持ったものは僅かである。そのため、従来の方法ではこの僅かな差異を捉えることが困難で、適応放散過程の詳細を明らかにすることはできなかった。加えて、種分化前後の分集団-種間の遺伝子流動の存在も系統情報をあいまいにする要因となり得ると予測される。そこで本研究では、葉緑体DNAの全長塩基配列解析とゲノムワイドな一塩基多型解析を組み合わせることで、カナリア諸島で大規模な適応放散を遂げた広義ノゲシ属の進化過程を明らかにすることを目的とする。葉緑体ゲノム系統樹と核ゲノム系統樹の比較解析により、過去の遺伝子流動を含めた種間の分岐過程を解明する。
2022年度はカナリア諸島のノゲシ属の固有種全30種を含む37サンプルについて、ショットガンシーケンス法による塩基配列の決定を行った。塩基配列データの中から葉緑体DNAの全塩基配列を抽出し、それに基づく系統樹を構築した。その結果、カナリア諸島のノゲシ属には4つの系統が存在することが明らかとなった。葉緑体DNAの全塩基配列を決定することで、高解像度の系統樹を得ることができ、本植物群の進化過程に関する議論が可能となった。本研究の成果をもとに、日本植物学会および韓国生物学会の口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

葉緑体ゲノムの系統樹が既に完成しており、その成果を日本植物学会で発表することができた。次年度の解析に向けた準備も順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

2023年度はRAD-seq法によりゲノムワイドな一塩基多型の検出を行い、核の高解像度系統樹の構築を行う。葉緑体系統樹との樹形比較により
、進化過程における交雑の可能性を検証する。さらに分岐年代推定と系統地理解析を加えることで、カナリア諸島のノゲシ属の海洋島における
適応放散過程の詳細を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Plastome phylogenomics of the woody Sonchus alliance (Asteraceae) in the Macaronesian Islands2022

    • 著者名/発表者名
      Seon-Hee Kim, Arnoldo Santos-Guerra, Koji Takayama, Seung-Chul Kim
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
  • [学会発表] Complete Plastome Sequences Shed New Light into Phylogenetic Relationships of the Woody Sonchus Alliance (Asteraceae) in the Macaronesian Islands2022

    • 著者名/発表者名
      Seon-Hee Kim, Arnoldo Santos-Guerra, Koji Takayama, and Seung-Chul Kim
    • 学会等名
      77th Annual Meeting of the Korean Association of Biological Sciences

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公開日: 2023-12-25  

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