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2022 年度 実績報告書

構造的カイラル性が誘起するスピン生成現象の物性理解と応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 22F22363
配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

白石 誠司  京都大学, 工学研究科, 教授 (30397682)

研究分担者 CALAVALLE FRANCESCO  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-11-16 – 2025-03-31
キーワードカイラリティ / 高分子 / CISS効果 / 円偏光
研究実績の概要

研究開始初年度である2022年度は、まず構造的カイラル性を持つカイラルPEDOT高分子を対象材料として設定し、共同研究先から右手・左手、各掌性をもつ高分子を用いて、円偏光照射誘起光ガルバニック効果(CPGE)の測定から研究を開始した。CPGEについては、既に我々の研究室でSrTiO3表面で誘起される2次元電子ガス系を対象に、その表面Rashba場を起源とするスピン構造の計測を成功裏に遂行した実績があり、円偏光照射によって、光の進行面に平行なスピンを対象材料に誘起することで、特に対象材料がスピン輸送方向に構造的・幾何学的な選択性を持つ場合に、その選択性に合致した条件のもとで起電力が観測できることがわかっている。

本研究では、カイラルPEDOTに対して円偏光照射を行ったところ、PEDOT分子の伸びている方向に偏極したスピンを円偏光照射によって誘起した場合に特徴的な起電力を観測することができ、またその掌性を反転させると起電力の極性もまた反転することを見出した。一方、高分子の配向性が高くないこともあるのか、起電力が発生してはいけない実験geometry下でも起電力が計測されるなど、その結果の統一的解釈には、まだ対照実験を積み重ねる必要があることもわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

対象物質は順調に入手し、工学測定系も順調に立ち上がった。また初期的な測定結果も順調に得られている状態にある。

今後の研究の推進方策

今年度は引き続きカイラルPEDOT分子におけるCPGE効果を、更に測定系をブラッシュアップすることで精度高く測定していくことを目指すとともに、別のより好適な材料系の開拓を共同研究者とも議論しながら進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Gate-tunable and chirality-dependent charge-to-spin conversion in Tellurium nanowires2023

    • 著者名/発表者名
      F. Calavalle
    • 学会等名
      応用物理学会学術講演会(上智大学)

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公開日: 2023-12-25  

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