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2023 年度 実施状況報告書

構造的カイラル性が誘起するスピン生成現象の物性理解と応用展開

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0220
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

白石 誠司  京都大学, 工学研究科, 教授 (30397682)

研究分担者 CALAVALLE FRANCESCO  京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワードカイラリティ / CISS効果 / PEDOT
研究実績の概要

今年度も引き続きカイラルポリマーであるPEDOTにフォーカスを絞ってChirality-induecd Spin Selectivity(CISS)効果に関する研究を推進した。カイラルPEDOTの合成に伝導性を有する基板が必要であるが、当初利用していたInSnOをキャリアドープしたSiに変更し、さらにその伝導度をドーピング濃度を調整していく中で、1e16cm^-3程度の低伝導度の基板上でもカイラルPEDOTの合成に成功することが共同研究者のサポートにより明らかになったため、ゲート電圧印加によって基板の伝導度を更に抑制することにより、カイラルPEDOTの有する本質的なスピン依存伝導性を実験的に取り出せる基盤技術が構築できた。

この基盤技術の上でカイラルPEDOTの面内磁気抵抗を交流測定を用いて評価したところ、右巻き(R)と左巻き(L)で互いに磁場角度に関する極性が反転する、という結果を得た。この結果はカイラリティによってPEDOTが持つスピン構造が反転しているという可能性を示唆しており、acロックインによる第二高調波信号の解析など更なる追加実験による結果の精査が重要となるため、この視点から研究を推進する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

世界的にもCISS効果に集まる関心は高まっているが、本研究の視点は「高伝導度」を有する「分子材料」という従来及び現在の研究にはない独自の視点とアプローチを有する。この独自視点の研究を1年強の期間で本格的な効果の探索と物理機構の解明を開始できるところまで持っていけたことは極めて重要である。

今後の研究の推進方策

上記のようにacロックイン法による第二高調波磁気抵抗成分をR型とL型のカイラルPEDOTに対して行い、磁気抵抗の起源がカイラリティ依存のスピン構造であるかどうかを精査していく。同時に磁化ダイナミクスを用いたスピンポンピング法をカイラルPEDOTに対して導入し、カイラルPEDOTが持ちうるスピン構造に依存してスピン起電力(いわゆる逆CISS効果)の観測を目指す。

次年度使用額が生じた理由

これまでの成果発表と、特に欧州での研究者ネットワークの構築のために
国際会議参加と議論を行うため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Chirality Dependent Magnetoresistance in Helical poly(3,4-ethylenedioxythiophene)2023

    • 著者名/発表者名
      Masami Komoike, Satoru Yoshida, Francesco Calavalle, Ryo Ohshima, Yuichiro Ando, Kazuo Akagi, Masashi Shiraishi
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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