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2023 年度 実施状況報告書

環境中の二酸化炭素の回収・有効利用を可能とする多孔性材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0224
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

北川 進  京都大学, 高等研究院, 特別教授 (20140303)

研究分担者 DUTTA BASUDEB  京都大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード多孔性配位高分子 / 触媒 / 光触媒 / 二酸化炭素 / 複合材料
研究実績の概要

化石燃料の消費量の増加により,CO2排出量は増加の一途をたどっており、気候変動に深刻な影響を与えている。この影響を最小限に抑えるため,CO2の回収・ 貯留(CCS)のさまざまな方法が提案されてきたが、未だに有効な手法の開発が待ち望まれている。Dutta氏と行う本共同研究では、多孔性配位高分子(PCP)を光触媒として利用した効率的なCO2変換システムの創出を目指している。特に、自然界に見られる光触媒を模倣して、PCPの骨格に光活性部位とRedox活性部位を組み込むデザインにより、複数の新規のPCPの開発に取り組んできた。
本年度は、前年度に引き続きPCPの開発を行うと共に、前年度において開発を行った各種PCPの二酸化炭素親和性と光学特性を調べると共に、そのCO2光還元触媒反応特性について評価を行った。(4-(イミダゾール-1-イル)フェニル)エテンを光活性ユニット、1,4-ジヒドロ-4-オキソピリジンをRedox活性ユニットとして設計・合成したPCPにおいて、光照射により約90%の選択性でCO2からギ酸を生成することがわかった。現在、本研究の論文化に取り組んでいる。また、触媒内で電子と正孔の再結合を防ぐ構造設計から、異なる電子的性質を持つPCPドメインを複合した階層的な構造を持つ一連のPCP@PCP複合体の合成にも研究を展開した。ポルフィリンユニットを骨格に有するPCPを基盤とした複合体を構築することによって、CO2からCOを選択的に生成する光触媒の生成ができた。今後は、こうした光触媒の反応機構の解明に取り組むとともに、反応活性の向上を目指すための構造ー光触媒特性相関について検討をする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本共同研究では、多孔性配位高分子(PCP)を光触媒として利用した効率的なCO2変換システムの創出を目指している。特に、自然界に見られる光触媒を模倣して、PCPの骨格に光活性部位とRedox活性部位を組み込むデザインにより、複数の新規のPCPの開発に取り組んできた。こうした構造デザインから、PCPを基盤としたCO2還元光触媒を実現しており、選択的なCO生成反応やギ酸の生成反応を観測している。これまでに得られた成果については論文化に取り組んでおり、本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

触媒反応を行う本共同研究において、構造物性相関の解明及び触媒の詳細な機構検討が重要である。そのため、残りの研究期間では、(a)詳細な物性評価の完了、(b)既報告材料との光触媒活性の比較、(c)高効率材料に向けた構造物性相関の検討、(d)メカニズム解明のためのin situ実験 に取り組む。今後の研究では、既に合成した材料に集中し、本研究課題の期間内に全ての実験を完了させる予定である。
本共同研究で得られた成果については、全て原著論文として報告し、国際的に著名な学術誌に投稿を行う予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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