研究実績の概要 |
2022年度の実績は以下(1)~(4)の通りである。 (1)琉球諸語と南九州の語彙比較 琉球諸語と南九州の海洋関係語彙を各種文献から収集、分析したうえで、語彙の面から琉球諸語と南九州方言との類似性を検討した。 (2)ロンドン伝道協会宣教師ジョゼフ・エドキンズ(1823-1905)による日本語研究の再評価 エドキンズは中国語研究者としては知られていたが、日本語研究についてはアーネスト・サトウに批判されて以来、ほとんど顧みられてこなかった。エドキンズの日本語研究は確かに誤りが少なくないが、タ行音の子音、日本漢字音の呉音・漢音についてなど、今日通説となっているいくつかの説を中国語の知識に基づきすでに唱えていたことを、初めて明らかにした。 (3)近代のカトリック宣教師の琉球語研究 幕末琉球に滞在したパリ外国宣教会宣教師のフュレらによる琉球語研究を分析し、その特徴を考察した。 (4)2つのワークショップの企画 英語によるワークショップ「Exploring Language Diversity in Japan How Philological and Linguistic Analysis Can Work Together」「The Origin and Spread of the Japonic Languages: Putting Together Linguistics, Genomics and Archaeology」を企画し、琉球諸語だけでなく、日本語・アイヌ語などの専門家間の研究交流に貢献した。
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