研究課題/領域番号 |
21F21760
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
門井 浩太 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (40454029)
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研究分担者 |
SINGH HANDA SUKHDEEP 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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キーワード | 積層造形 / 高温割れ / Ni基合金 / 液化割れ |
研究実績の概要 |
2021年度に引き続き,本研究で対象とするNi基超合金Haynes282を用いたEBM材のミクロ組織解析や力学的特性を評価するとともに,この材料を用いた場合の液化割れ感受性の評価方法の構築に向けた検討を行った. 電子ビームを用いた金属粉末床溶融結合(EMB)にて作製したHaynes282材に対して熱処理を施し,EBMの条件や造形体の場所毎でのミクロ組織形態,硬さ分布,高温引張特性等を調査した.その結果,第二相の析出は積層過程中に生じ,約1000℃,8時間での熱履歴を経ると炭化物が生成することが示唆された.積層材底部では,約 1μmのM3B2や炭化物や約110 nmのγ’相が形成した.底部の硬さは350 HV程度,上部は400 HVを示し,γ'の大きさが硬さに影響を及ぼすことがわかった.さらに,底部及び上部の引張強度,降伏強度,破断伸びは,それぞれ1040 MPa,1090 MPa,805 MPa,825 MPa,20%,24 %であった.鍛造材は,940 MPa、650 MPa、40%であることから,鍛造材に比して高い破断強度と降伏強度を示すのに対し,破断伸びは低下する傾向を示すことを見出した. また,高温割れ感受性評価の結果,Haynes282の含有元素であるCやBは適切な含有量であれば,凝固末期での共晶相の生成により高温割れ感受性は改善するものの,含有量が少ないと割れ感受性は増大する.これは凝固過程で生ずるMC炭化物や,M3B2ホウ化物の生成が,凝固偏析を緩和することによることが示された.加えて,その場観察と高温引張試験の併用による,高温割れ発生の評価手法の構築に取り組み,割れ発生現象の動的な測定方法を検討し,試験の制御手法や高温での評価指標の導出方法を求めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は,本研究で対象とするNi基合金Haynes282のEBM材のミクロ組織解析や力学的特性を評価するとともに,この材料を用いた場合の液化割れ感受性の評価方法の構築に向けた検討を行い,製造過程での組織形成や機械的特性との関係を明確にするとともに,高温割れ感受性に及ぼす元素の影響なども明らかにした.また,高温割れ,特に液化割れ感受性評価のための試験法の確立に向けた検討も含め,概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は, 液化割れ感受性その場評価試験の確立とその支配要因の明確化を主目的として推進する.特に2022年度より取り組んでいる高温引張試験による割れ感受性評価試験方法を確立し,当該試験から得られる知見を基に割れ発生挙動の高精度かつ定量的な評価を行うことで,Haynes282やAM特有の支配要因など,液化割れ現象の明確化に取り組む予定である.
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