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2023 年度 実績報告書

スカラー拡張によるニュートリノ質量、暗黒物質、実験アノマリーを解く統一理論

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0238
配分区分基金
研究機関大阪大学

研究代表者

兼村 晋哉  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10362609)

研究分担者 MONDAL TANMOY  , 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワードヒッグス物理 / CPの破れ / 加速器現象
研究実績の概要

研究計画は素粒子標準理論で説明できない現象を説明する新機構を備える新理論を提案することにあった。これまで提案されたニュートリノ質量生成のメカニズムを手がかりに、宇宙暗黒物質粒子を含みバリオン数生成も説明することを目指す。まず現在蓄積されつつある様々な素粒子実験のデータに抵触しない形で理論を探求する。構築した理論を実験で多角的に検証する可能性を理論的に調べる。宇宙バリオン数非対称問題の有力シナリオである電弱バリオン数生成は電弱対称性の破れの理論の拡張によって実現されるため、現在のさまざまな実験データの元での拡張ヒッグスセクターの取りうる形を研究することから始めた。最初の共同研究では、現在のLHC実験において許容される拡張ヒッグスセクターの湯川相互作用のあり方を検討し、wrong-sign 湯川相互作用と呼ばれる相互作用のモデルが棄却されずに存在することを見出した。さらにこのモデルは将来のLHC実験(高輝度LHC実験)で検証し得ることを見出した。この研究は受入研究者、モンダル氏、阪大助教の柳生慶氏の共著であり、本論文は学術雑誌Journal of High Energy Physicsから出版された。次に電弱バリオン数生成が現在のデータの元で実現可能であることが示された nearly aligned two Higgs doublet model に注目し、ヒッグスポテンシャルにおけるCPの破れ位相の効果をコライダー実験で検証する可能性を研究した。その結果、高輝度LHC実験における重いヒッグス粒子対生成からの4光子シグナルを用いてヒッグスポテンシャルのCPの破れをダイレクトに見ることができることを見出した。この研究は受入研究者、モンダル氏、柳生慶助教と阪大大学院生の4名の共同研究であり、現在論文投稿中である。その一方で新メンバーも加えたヒッグス現象に関する共同研究も始めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Exploring wrong sign scenarios in the Yukawa-Aligned 2HDM2023

    • 著者名/発表者名
      Kanemura Shinya、Mondal Tanmoy、Yagyu Kei
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2023 ページ: 237

    • DOI

      10.1007/JHEP02(2023)237

    • 査読あり
  • [学会発表] 拡張ヒッグス模型におけるCPの破れのMulti photon 事象によるLHC実験での検証2023

    • 著者名/発表者名
      片山兼渡, 兼村晋哉, Mondal Tanmoy, 柳生慶
    • 学会等名
      日本物理学会第76回年次大会
  • [学会発表] Multi-photon signatures at LHC and future linear colliders as a probe of CP-Violation in 2HDMs2023

    • 著者名/発表者名
      Shinya Kanemura, Kento Katayama, Tanmoy Mondal, Kei Yagyu
    • 学会等名
      2023 International Workshop on Future Linear Colliders (LCWS2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Multi-photon signatures at LHC as a probe of CP-Violation in 2HDMs2023

    • 著者名/発表者名
      Shinya Kanemura, Kento Katayama, Tanmoy Mondal, Kei Yagyu
    • 学会等名
      Higgs as a Probe of New Physics 2023 (HPNP2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Exploring Wrong-Sign Scenarios in the Yukawa Aligned 2HDM2023

    • 著者名/発表者名
      Shinya Kanemura, Tanmoy Mondal, Kei Yagyu
    • 学会等名
      Higgs as a Probe of New Physics 2023 (HPNP2023)
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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