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2022 年度 実績報告書

X線自由電子レーザーを用いた超高圧下惑星物質の分光診断

研究課題

研究課題/領域番号 22F22707
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

尾崎 典雅  大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70432515)

研究分担者 AMOURETTI ALEXIS  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-07-27 – 2024-03-31
キーワードレーザーショック / X線自由電子レーザー / スピン相転移 / 酸化鉄 / X線発光分光 / 下部マントル / 超高圧
研究実績の概要

レーザー衝撃圧縮下の構造変化や、融解などの状態変化を明らかにするため、標準となる純鉄や鉄酸化物に関するX線回折観察を行って基礎データを取得した。レーザー照射エネルギー密度とXFELプローブ遅延時間を変化させながら、圧力を変えて反応速度を調べた。圧力は衝撃融解圧力の前後の2パターンのデータセットを取得した。また圧力解放過程の観察も初めて行うことができた。フェムト秒プローブX線回折によって、超高圧下における構造と密度を直接調べた。独自の線結像速度干渉計(VISAR)観察を同時に行うことで、圧力も正確にモニターすることができた。CH-LiFのターゲットに対して、標準となる圧力プロファイルを取得することができた。

並行して2チャンネルのX線分光診断の開発を順調に進めることができた。独自の実験プラットフォームにおけるターゲットチャンバーと、その内部のサンプル駆動機構やVISAR計測系などとの位置関係を把握し、可能な結晶分光器およびX線CCD検出器の構成や配置を決定することができた。SiO2球面結晶を用いた分光器ヘッドを製作し、既存の駆動ステージを組み合わせたマウントを製作し、分光器ヘッドと検出器のアライメント手法および手順をほぼ確立した。スタティックなサンプル条件で診断法に関わる技術項目に関して検証を行うとともに、XFELポンプのX線発光分光データを取得することに成功した。

さらに、X線回折、速度干渉計計測、X線分光、を組み合わせた統合実験のための実験配置、ターゲット構造などを決定し、動的超高圧実験も実施することができた。流体シミュレーションを用いてターゲットを設計するとともに、仏共同研究機関での共同研究にを通じて、高品質な鉄酸化物薄板試料のターゲットを作成することにも成功した。レーザーショットによって高温高圧となった鉄酸化物からのX線発光分光データを初めて取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

確立されたX線回折のみならず、X線発光分光データを既に取得することができた。2チャンネルの結晶分光器を設計、稼働させ、KアルファおよびKベータ線の振る舞いを調べることを可能にした。

独自の成膜装置とプロセスにより、CHアブレータ上に直接8ミクロン厚の高品質酸化鉄ターゲットを、製作することに成功した。また複数種の酸化鉄を試験することができた。VISARによる圧力モニタで高精度の生成圧力予測も可能となった。

静的な条件だけでなく研究提案のゴールとなる、レーザー駆動動的超高圧下の酸化鉄からのX線発光データを取得することに成功した。捕集効率やSNを改善するための基礎データを取得し、次年度にさらに発展させるための貴重な知見を得ることができた。

今後の研究の推進方策

結晶分光器の最適化を行い、SNの改善を行う。結晶の面方位や配置、およびフィルタなどについて検討を行う。試料が極めて薄いため、衝撃圧力駆動レーザーの安定化を実現することで、データの再現性を向上させる必要がある。

衝撃圧縮下だけでなく、解放過程に対しても詳細なデータセットを取得する。動的超高圧下において、構造相転移とスピン転移との圧力および時間に対する関係を調べる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ソルボンヌ大学/エコールポリテクニーク(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      ソルボンヌ大学/エコールポリテクニーク
  • [学会発表] High pressure crystallization of shocked CaSiO3 glass2022

    • 著者名/発表者名
      Alexis Amouretti, Keita NONAKA, Liu XUN, Kohei MIYANISHI, Keiichi SUEDA, Makina YABASHI, Toshinori YABUUSHI, Norimasa OZAKI
    • 学会等名
      第63回高圧討論会

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公開日: 2023-12-25  

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