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2021 年度 実績報告書

散乱行列理論に基づく量子重力の現象論

研究課題

研究課題/領域番号 21F21317
配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

野海 俊文  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (30709308)

研究分担者 CHEN WEI-MING  神戸大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2021-11-18 – 2024-03-31
キーワード散乱行列理論 / 加速膨張宇宙 / ブラックホール / 重力波
研究実績の概要

本研究費は、研究分担者である Chen の外国人特別研究員ポジション(研究代表者の野海が受入研究者)に付随する特別研究員奨励費である。
本研究では、近年進展の著しい散乱行列理論の技術を重力理論や加速膨張宇宙に応用することで、理論模型に含まれる粒子の質量や相互作用が満たすべき様々な不等式を量子重力との整合性条件として導出することを目指している。研究初年度の2021年度の成果は以下の通り。
Chen と野海は、インフレーション宇宙論への応用を念頭に、散乱行列理論の加速膨張宇宙における相関関数への一般化を進めてきた。平坦時空上の散乱行列理論においては、散乱振幅の解析性やユニタリー性が重要な役割を果たす。中でも、ユニタリー性から従う Froissart bound やユニタリー性バウンドは散乱振幅の高エネルギーでの振る舞いを制限し、散乱行列理論の基礎となる整合性条件である。Chen が外国人特別研究員に着任してからの約半年間では、同様の整合性条件を加速膨張宇宙の相関関数に一般化するための最初のステップとして、加速膨張宇宙の相関関数の「高エネルギー極限」に対応する演算子の配位を特定することに成功した。これが翌年度以降の研究の基礎となる。
これと並行し、Chen は散乱行列理論の重力波物理への応用に関する国際共同研究も進めてきた。高階スピン粒子の散乱振幅の知識を用いることで、回転ブラックホールの連星系のポテンシャルを同定した。この成果を論文雑誌より出版した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究期間が約半年間であったことや着任時の忙しさを踏まえると、受け入れ教員の野海との共同研究は順調に進んでいると言える。また、他の共同研究についても論文を発表している。これを踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度同定した「高エネルギー極限に対応する演算子の配位」において加速膨張宇宙における相関関数がどのように振る舞うか具体的な模型で解析を行い、実際に高エネルギー散乱と同様の振る舞いが現れることを確認したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] 国立台湾大学(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立台湾大学
  • [国際共同研究] クイーンメリー大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      クイーンメリー大学
  • [雑誌論文] The 2PM Hamiltonian for binary Kerr to quartic in spin2022

    • 著者名/発表者名
      Chen Wei-Ming、Chung Ming-Zhi、Huang Yu-tin、Kim Jung-Wook
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2022 ページ: 1-62

    • DOI

      10.1007/JHEP08(2022)148

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Looking for chaos from string amplitudes2022

    • 著者名/発表者名
      Wei-Ming Chen
    • 学会等名
      Kagoshima Workshop on Quantum Aspects of Gravitation
    • 国際学会 / 招待講演

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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