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2022 年度 実績報告書

散乱行列理論に基づく量子重力の現象論

研究課題

研究課題/領域番号 21F21317
配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

野海 俊文  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (30709308)

研究分担者 CHEN WEI-MING  神戸大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2021-11-18 – 2024-03-31
キーワード散乱行列理論 / 加速膨張宇宙 / ブラックホール / 重力波
研究実績の概要

本研究費は、研究分担者である Chen の外国人特別研究員ポジション(研究代表者の野海が受入研究者)に付随する特別研究員奨励費である。
本研究では、近年進展の著しい散乱行列理論の技術を重力理論や加速膨張宇宙に応用することで、理論模型に含まれる粒子の質量や相互作用が満たすべき様々な不等式を量子重力との整合性条件として導出することを目指している。2022年度の成果は以下の通り。
前年度から引き続き、Chen と野海は散乱行列理論の加速膨張宇宙における相関関数への一般化を目指した。前年度に同定した「高エネルギー極限に対応する演算子の配位」において相関関数がどのように振る舞うかを具体的な理論模型で摂動論的計算を試みた。しかし、解析の過程で技術的な煩雑さやある種の特異性からくる概念的困難に遭遇し、進捗が滞ってしまった。この状況と外国人特別研究員としての残り期間を踏まえ、当初計画の代替案への方針転換を行った。
具体的には、加速膨張宇宙における荷電粒子のスペクトルが満たすべき不等式を予言する「弱い重力予想」や「Festina Lente 不等式」と呼ばれる予想に動機づけられて、加速膨張宇宙における荷電ブラックホールへの量子補正の解析を行った。本成果について現在論文を執筆中である。
これと並行して、Chen は散乱行列理論の重力波物理への応用に関する共同研究も行った。特に、散乱振幅の解析を行うことで、重力のファラデー効果を議論し、この成果を論文雑誌で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度の途中で受け入れ教員の野海との共同研究の方針を大きく転換した。方針転換後の研究は順調に進んでおり、他の共同研究の成果で論文も発表しているが、方針転換前の進捗の停滞を踏まえ、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

外国人特別研究員としての残り半年の間に、加速膨張宇宙におけるブラックホールへの量子補正に関する論文を出版にまで持っていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] 国立台湾大学(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      国立台湾大学
  • [国際共同研究] クイーンメリー大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      クイーンメリー大学
  • [雑誌論文] Gravitational Faraday effect from on-shell amplitudes2022

    • 著者名/発表者名
      Chen Wei-Ming、Chung Ming-Zhi、Huang Yu-tin、Kim Jung-Wook
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 2022 ページ: 1-43

    • DOI

      10.1007/JHEP12(2022)058

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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