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2022 年度 実績報告書

計算可能性理論の哲学的基礎の新たな展開

研究課題

研究課題/領域番号 22F22767
配分区分補助金
研究機関神戸大学

研究代表者

菊池 誠  神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (60273801)

研究分担者 FAN ZHAO  神戸大学, システム情報学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-11-16 – 2025-03-31
キーワード数学の哲学 / 計算の哲学
研究実績の概要

本研究課題は1930年代に提示され,一世紀近く妥当性に疑問はないと考えられてきた,計算可能性を特徴付けるチャーチ・チューリングの提唱に関わるものであり,特に逸脱コ ーディングという概念に焦点を当てながら,チャーチ・チューリングの提唱に対するチャーチ ,ゲーデル,チューリング及びポストの思想の歴史学的分析,計算可能性の概念分析においてヒルベルト及びウィトゲンシュタインの可観測性という概念が果たした役割の歴史学的分析,論理学及び数学における自然主義・唯名論・構造主義という立場と逸脱コーディングの関係についての哲学的分析を行い,チャーチ・チューリングの提唱を歴史学的及び哲学的観点から見直すものである.令和4年度は,チューリングの計算の哲学について分析を行い,現時点で得られている着想の妥当性を検討した.チューリングの計算の哲学については Fan, Z. が3件の口頭発表と査読つき1件の論文発表を行なっている.また,2月にオハイオ州立大学の Stewart Shapiro 教授を招いて,Semantics and Logic: the Meaning of Logical Terms という題目でオンラインセミナーを実施した.また,2月及び3月に金沢大学の黒川英徳准教授を神戸に招聘して,チューリングおよびゲーデルの計算の哲学,ならびに,クライゼルによる圧縮論法の応用について研究討議を行ない,さらに,3月には代表者が東京都立大学を訪問し,岡本賢吾東京都立大学教授とカント,フレーゲ,ウィトゲンシュタインの数学の哲学について研究討議をした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度はチューリングの計算の哲学について分析を行い,Fan, Z. が3件の口頭発表と査読つき1件の論文発表を行なっている.また,現時点で得られている着想の妥当性を検討についても,セミナーや研究討議を通して順調に進められ,内容については特に問題がないことが確認されている.しかし,予定以上の結果が得られているわけではない.以上のことから,概ね順調に進展していると判断される.

今後の研究の推進方策

令和5年度は国内外の研究者と研究討議を続けながら,逸脱コーディングを中心に数学の哲学についての研究を進める.国内で計算可能性の哲学に関する国際的なワ ークショップを開催し,得られた結果はこのワークショップや計算の哲学についてのセミナー,国内外の学会で発表の予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] University of Canterbury(ニュージーランド)

    • 国名
      ニュージーランド
    • 外国機関名
      University of Canterbury
  • [雑誌論文] Turing and von Neumann: From Logic to the Computer2023

    • 著者名/発表者名
      Copeland, J. and Fan, Z.
    • 雑誌名

      Philosophies

      巻: 8 (2) ページ: 1-30

    • DOI

      10.3390/philosophies8020022

    • 査読あり
  • [学会発表] Rethinking Turing's Analysis of Computability2023

    • 著者名/発表者名
      Fan, Z.
    • 学会等名
      Carl Friedrich von Weizsacker Colloquium
    • 招待講演
  • [学会発表] The Strange Phenomenon of Turing Denial2022

    • 著者名/発表者名
      Fan, Z. and Copeland, J.
    • 学会等名
      UFMG Seminar Series Intelligence and Artificial Intelligence
    • 招待講演
  • [学会発表] Turing and Godel2022

    • 著者名/発表者名
      Fan, Z.
    • 学会等名
      Kobe Logic Seminar

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公開日: 2023-12-25  

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