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2022 年度 実績報告書

分子生物学と情報生物学の融合による口蓋発生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22F22114
配分区分補助金
研究機関岡山大学

研究代表者

大橋 俊孝  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50194262)

研究分担者 WANG ZIYI  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2024-03-31
キーワード口蓋発生 / single cell RNA-seq
研究実績の概要

王博士は,公開されている大規模なゲノムワイド関連解析データを活用した口蓋裂の発生に関わる一塩基多型 (SNP)解析,および,マウス口蓋組織の器官培養実験を行い,メカニカルストレスとWntシグナル経路が口蓋の発生において重要な役割を担っている事実を掴んだ.しかし,未だその詳細なメカニズムは不明である.一方,当研究室では,1細胞遺伝子解析や空間的遺伝子解析など,最近の技術を取り入れながら,骨の発生や再生過程に関する研究を展開している. そこで,本申請研究では彼のこれまでの研究成果を基盤に,我々の有する最新の分子生物学的解析手法を加え,口唇・口蓋を含めた顎顔面の発生メカニズムを明らかにする.
今年度は,すでに所有している空間的遺伝子解析 (Visium Spatial Gene Expression, 10x Genomics)結果を用いて,口蓋に焦点を置き解析を行った.しかし,発生期の口蓋組織は小さく,Visiumの解像度では解析が難しいことがわかった.そこで,NanoString社の空間的遺伝子解析のアプリケーションを用いるため,酵素処理や抗体染色の条件検討を行い,染色条件を絞り込むことができた.また,マウス胎生期の口蓋発生に関するsingle cell RNA-seqの公開データをダウンロードし,再解析を行った.その結果,口蓋の発生に関わる遺伝子の抽出に成功した.そこで,胎生期の口蓋組織を用いた3次元モデルにて,抽出遺伝子の機能解析を行った.その結果,抽出された遺伝子群の中に,口蓋の発生に深く関わっている遺伝子があることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Visiumを用いた空間的遺伝子解析がうまく行かなかったが,すでにsingle cell RNA-seqの公開データを用いて解析を行い,口蓋の発生に関与している遺伝子群の抽出をすることに成功し,それらの遺伝子の機能解析を終えており,概ね順調に研究が進んでいると考える.

今後の研究の推進方策

2023年度は,NanoString社の 空間的遺伝子解析のアプリケーションを用いて,口蓋の発生を詳細に解析し,口蓋の発生に関与している遺伝子の絞り込みを行う予定である.そして,マウス胎生期の口蓋組織を用いたorgan culture modelを用いて,抽出された遺伝子の機能解析を行う予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Bulk RNA-seq Analyses of Mandibular Condylar Cartilage in a Post-traumatic TMJ Osteoarthritis Rabbit Model.2023

    • 著者名/発表者名
      Ikue Tosa, Angela Ruscitto, Ziyi Wang, Kira Z. Chen, Mitsuaki Ono, Mildred C. Embree.
    • 雑誌名

      Orthodontics & Craniofacial Research.

      巻: March 8 ページ: in press

    • DOI

      10.1111/ocr.12649

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Neuropilin 1 (NRP1) Positively Regulates Adipogenic Differentiation in C3H10T1/2 Cells.2023

    • 著者名/発表者名
      Yaqiong Yu, Yoko Uchida-Fukuhara, Yao Weng, Yuhan He, Mika Ikegame, Ziyi Wang, Kaya Yoshida, Hirohiko Okamura, Lihong Qiu.
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences.

      巻: 24 ページ: 7394

    • DOI

      10.3390/ijms24087394

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Treatment of Marmoset Intracerebral Hemorrhage with Humanized Anti-HMGB1 mAb. Cells.2022

    • 著者名/発表者名
      Dengli Wang, Daiki Ousaka, Handong Qiao, Ziyi Wang, Kun Zhao, Shangze Gao, Keyue Liu, Kiyoshi Teshigawara, Kenzo Takada, Masahiro Nishibori
    • 雑誌名

      Cells

      巻: 11 ページ: 2970

    • DOI

      10.3390/cells11192970

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] OD3 Expression in Tumor Stroma Provides the Tumor Vessel Maturity in Oral Squamous Cell Carcinoma.2022

    • 著者名/発表者名
      May Wathone Oo, Hotaka Kawai, Htoo Shwe Eain, Yamin Soe, Kiyofumi Takabatake, Sho Sanou, Qiusheng Shan, Yasunori Inada, Masae Fujii, Yoko Fukuhara, Ziyi Wang, Shintaro Sukegawa, Mitsuaki Ono, Keisuke Nakano, Hitoshi Nagatsuka.
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 10 ページ: 2729

    • DOI

      10.3390/biomedicines10112729

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Filamin A mediated epithelial-mesenchymal transition during embryonic palate development2022

    • 著者名/発表者名
      王 紫儀 、早野 暁、上岡 寛
    • 学会等名
      第46回日本口蓋裂学会総会・学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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