研究課題/領域番号 |
22F22722
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 山口大学 |
受入研究者 |
更科 慎一 山口大学, 大学院東アジア研究科, 准教授 (00379918)
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外国人特別研究員 |
WANG JUN 山口大学, .大学院東アジア研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2022-07-27 – 2025-03-31
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キーワード | 中級教科書 / 中国語教育 / 文化 / 評価理論 / 反中感情 |
研究実績の概要 |
当該年度は、下記の内容の論文を執筆した。日本のメディアによる中国への否定的な報道の影響を受け、日本の一般市民は中国に対して否定的な感情を持つ傾向がある。この背景のもと、評価理論を用いた研究が行われ、広く日本の大学で使用されている中級中国語教材の内容が分析された。その結果、多くの教材の著者は回避的な戦略を採用し、中立の立場から中日両国の学習生活や文化について紹介していることが分かった。幸いなことに、一部の教材の著者は、日本人が中国人に対する固定観念を払拭するために大きな努力をしている。これらの取り組みには、以下の3つの戦略が含まれている:第1の戦略は、日本人が中国に対して抱く一般的な否定的な印象に着目し、その背後にある深層の原因を跨文化の視点から探求することである。第2の戦略は、日本の中国に対する偏向報道を指摘し、日本人が中国を直接訪れることを促すことである。第3の戦略は、中国社会の発展について直接的かつ積極的に描写することである。 現行の教材では、教材の著者は回避策を採用する傾向がある。つまり、社会で広まっている反中感情を避け、言語知識の伝達や表層的な文化紹介に留まる。著者が意図しているかどうかに関わらず、私はこのような教材では本来の効果が得られないと考えている。まず、学習者に対して社会で広まっている反中感情に直面する必要がある。学習者に教材を通じて、教材の中国とメディアの中国は異なることを知らせ、学生が自ら探求することを促す必要がある。そのために、本研究では教材編者が教材作成時に利用できる3つの戦略を提供している。本稿が日本の中級中国語教材の編集に少しでも貢献できれば幸いである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、主に50冊の一般的な中級教材の文化的な内容を分析し、予定された研究目標を達成しました。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、第一に、日本の大学の中国語カリキュラムの設置状況を詳しく把握する。これには、各大学における中国語カリキュラムの設置状況、つまりどの大学が中国語カリキュラムを設置しているか、そして各大学の中国語カリキュラムがどのようなもので構成されているか、たとえば初級、中級、上級の中国語コースや中国語専攻などが含まれる。同時に、各大学の教育内容、教材の使用状況などについても詳しく把握する必要がある。これらの情報を分析することで、日本の大学の中国語カリキュラムの設置状況を包括的に理解し、中国語教育の改善に有力な根拠と指導方法を提供する。また、日本の大学の中国語カリキュラムの設置状況を理解することで、中国語学習者にとって有益な情報を提供し、適切な中国語コースや学習方法を選択することができる。これらの情報は、学習計画の策定、教育リソースの選択、職業方向の決定など、中国語学習者の学習において重要な影響を与える。したがって、日本の大学の中国語カリキュラムの設置状況を詳しく理解することは非常に必要である。 第二に、ミクロとマクロの面から日本における中国語教材の特徴を明らかにし、日本の中国語教育のための教材開発と教材評価に資する。まず、インターネットから教育機関のシラバスを調査し、または教育機関へ直接調査依頼を出すことで、各種教育機関における中国語教材の使用状況を明らかにする。中国語教材の評価基準によって、分類し、教科書の語彙量、語彙レベル、漢字量、文法項目量の定量的な統計と分析を行い、教科書の単語の配置、注釈、内容、テキストのジャンル、トピックについての定性分析をする。
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