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2022 年度 実績報告書

アリ類のコロニー内栄養循環における栄養卵の機能と意義

研究課題

研究課題/領域番号 22F22761
配分区分補助金
研究機関香川大学

研究代表者

伊藤 文紀  香川大学, 農学部, 教授 (50260683)

研究分担者 KHALIFE ADAM  香川大学, 農学部, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2022-11-16 – 2025-03-31
キーワード栄養卵 / 卵巣 / アリ
研究実績の概要

沖縄本島に採集に行き、アシナガアリ類、アシナガキアリなどの実験材料を入手した。これらのコロニーを実験室内で飼育し、栄養卵の産卵に関する行動学的研究と栄養卵と繁殖卵の栄養成分の相違について予備的分析に着手した。ヨナグニアシナガアリに関して、飼育中コロニーから働きアリが産下した栄養卵と、女王が産下した繁殖卵を取り出し、形態を測定した。栄養卵と繁殖卵の大まかな形態はよく似ていたが、大きさは、栄養卵の方が大きかった。これまで観察した各種アリ類の栄養卵と比べると、たとえばケブカアメイロアリでは栄養卵の大きさの変異が相当あるが、ヨナグニアシナガアリではそれに比べると変異は小さい傾向があった。一方で、アシナガキアリでは栄養卵の方が繁殖卵よりはるかに小さく、栄養卵の相対的な大きさには相当な多様性があることが判明した。栄養卵と繁殖卵のタンパク質、脂質、炭水化物量を測定するプロトコールを同学部の化学専攻教員と共同で設計した。プロトコールの改良は必要ではあるが、予備的測定の結果では、生殖卵と栄養卵のタンパク質比率はほぼ同じであることが示唆された。また栄養卵をふくむコロニー内での餌利用とその栄養経路を多種で比較するために必要な観察項目について検討し、現在室内で飼育してるアリ類について予備的に観察を開始した。昆虫などの固形餌の摂餌者は、(1)働きアリのみ、(2)働きアリと幼虫のみ、(3)働きアリ、幼虫、女王、の3通りがあり、また栄養卵の摂餌者は、(1)女王のみ、(2)女王と幼虫のみ、(3)働きアリ、幼虫、女王、の3通りがあった。吐き戻しによる栄養交換は、吐き戻しがある種では幼虫と女王、働きアリの全てがおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当面の観察や実験に必要なコロニーを採集することができ、また、同じ学部に所属する化学系教員の協力を得て、栄養卵と繁殖卵のタンパク質、脂質、炭水化物量を測定するプロトコルをつくり分析を開始することができたため、概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後も研究対象とするアリ類の採集を継続するとともに、室内の行動観察と化学分析を継続する。

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公開日: 2023-12-25  

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