研究課題/領域番号 |
21F21377
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
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研究分担者 |
RAJAONARIVO HIARY 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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キーワード | 地域イベント / オントロジ / 知識グラフ / Twitter / 実体抽出 / オントロジ自動構築 / 地域イベント推薦 |
研究実績の概要 |
地域イベントは,その地域に居住する人はもちろん,その地域を訪れる旅行者にとっても,興味深いものである.一方,必ずしも,有名なものばかりではなく,Webページにも記載がない物も多い.また,Webページへの記載はあっても,その更新が滞り,最新の情報が掲載されていないことが多々ある.そこで,本研究では,携帯電話の位置情報に基づく人の移動情報およびソーシャルネットワークサービス(SNS)に投稿された情報を基に,イベントの特定と,そのイベントやイベントの行われている地域の特徴の特定のためのオントロジおよび知識グラフの自動獲得を行う手法の開発を目的として,研究を開始した.オントロジおよび知識グラフについては,Twitterに投稿された投稿記事から,場所や建物,商品,食べ物などの実体名を抽出し,位置情報や意味情報を提供するWeb上のオープンデータと組み合わせ,それらの自動構築を行う手法を開発した.有名でない地域イベントの取得の前に,開発したオントロジや知識グラフの有効性評価のため,福岡地区での5カ所ほどの有名な場所やイベントを対象として選んだ.構築したオントロジの正確性について被験者実験により評価を行った.基本的な種別カテゴリについての正確性を確認するとともに,抽出された実体のカテゴリとして必要な種別の選別を行うことができた.この成果については,国際会議WI-IAT2021(the 20th IEEE/WIC/ACM International Conference on Web Intelligence and Intelligent Agent Technology)にFull Paperとして採録され,発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたオントロジや知識グラフの自動獲得を行う仕組みについては開発済である.また,NICTのプロジェクトや糸島市とのプロジェクトも連携することで,必要なデータ(人の移動情報,特に,周遊情報やSNS情報)のほか,評価体制も獲得できている.WI-IAT2021で発表した後,特に,オントロジや知識グラフについて,新たに評価を行った結果を,国際会議ESKM2022へ投稿している.今後の推進方策に記したように,新たな成果についても順調に出ている.
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今後の研究の推進方策 |
地域のオントロジや知識グラフの自動構築を進め,まず,場所や建物(POI: Point of Interests) の特徴を獲得し,種別の自動分類の仕組みを開発する.また,類似のPOIのクラスタリングを行うことで,各種別のPOIの,地域ごとの統計数を明確化する.ついで,人の移動情報を基に,POI間の周遊経路の明確化を行う.これらの情報を,地図上で描写する仕組みを開発し,POIを入力として,次のPOIを推薦する仕組みを開発した際に,推薦されたPOIの位置を明確化する.地図上への描写の仕組みは,特に,距離を考慮した推薦を行う際に,その有効性を評価する.データとしては,ブログウォッチャーが提供する人のPOI間の移動情報,Twitterへの投稿記事やその他のOpen Dataを活用する.評価では,糸島市との連携を進めていることから,今年度は,糸島地区内を対象として評価を行う.
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