フォグデバイスとエッジデバイスを用いたビッグデータ処理に関して,ローカルエリアの種々のノードの処理能力を考慮し,バッチ処理,ストリーム処理,関数処理の3つの異なるコンピューティングパラダイムに基づくデータ処理プラットフォームと,クラウドネイティブアプローチとの実装比較実験を行った.エッジベースとフォグベースのソリューションは,ローカルビッグデータ処理を必要とするアプリケーションにおいて特に有望であることを示した.エッジ,フォグ,クラウドレイヤー全体にビッグデータ処理プラットフォームを展開する際にポイントになる事項を明確にした. また,サーバーレスコンピューティングパラダイムにおけるコンピューティングコンティニュームに注目し,ここでのIoTデータパイプラインを開発するためのサーバーレスパラダイムについて研究した.コンティニューム全体でサーバーレスコンピューティングを適応させるために,サーバーレスパラダイムを各レイヤに統合し,関数呼び出しのレイテンシ,データ転送の影響,リソース使用量などの主要なパフォーマンス要因を調査した.エッジ・フォグ・クラウドサーバーレスセットアップを効果的に展開するために必要な事項を明確にし,さらなる効果向上のための条件を考察した. サーバーレスコンピューティングパラダイムは,効率的なデータ処理に今後欠かせないと考えられるが,コンピューティングコンティニューム全体にアプリケーションを展開することは,リソース容量や異種性などを考慮する必要があり,難しい問題である.ビッグデータ処理環境での大量のリクエストの発生がさらに問題を複雑にする.今後の展開としてこの方向を検討することが重要であると考える.
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