研究課題/領域番号 |
22KF0321
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
名取 洋司 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (50930567)
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研究分担者 |
VARGHESE PHILIP 国際教養大学, 国際教養学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | SATOYAMAイニシアティブ / エコツーリズム |
研究実績の概要 |
SATOYAMAイニシアティブ関連の取組として、国内の先進的な取組として、5月に佐渡を視察した。環境配慮型農業の取組と課題についてのヒアリングや、ガイド付きエコツアーの経験はインドでのエコツーリズムの検討の参考としたい。 外国人特別研究員は8月に調査対象地インド・ケララ州ワヤナッドで現地調査を行った。地元住民、ビジネス、研究者へのインタビュー結果は、定性調査解析を行っている。ツーリズムによる地域開発を進める上での要留意点について論文1編をFrontiers in Sustainable Tourismに投稿し、2024年5月にパブリッシュされる。「SEPLSにおけるレジリエンス指標」を用いた視点からの2編目を作成中である。 国連大学との連携のもと、ビジネスと生物多様性をテーマとしたSatoyama Initiative Thematic Review(SITR)のワークショップを2023年7月5日~8日に国際教養大学にて開催した。外国人特別研究員がエディター、PIがレビュアーとして関わり、世界各地の事例の論文に加え総合提言的な章を作成して、SITR第9巻を作成した(現在、生態系の連続性をテーマとしたSITR第10巻の作成が進められている)。さらに、7月8日~11日にはSATOYAMAイニシアティブの総会が開かれ、2030年に向けた行動計画の作成に本研究からの知見を提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた研究活動は順調に進められた。 SATOYAMAイニシアティブの総会およびThematic Reviewのワークショップを、イニシアティブの事務局である国連大学と協力して本学で開催することで、本研究から世界各地の現場での実践の推進と知見の集約に貢献することができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究活動により、ワヤナッドでのデータが得られたため、次年度はそのまとめと発表に注力することに合わせ、他の地域のケーススタディおよびヒアリングを行い、考察をさらに深める。後者については、下記3つの研究活動を予定している。 1)生物多様性条約第16回締約国会議(COP16/コロンビア・カリ/2024年10月)の場を活用し、国連大学と連携して、世界各国で活動する団体・機関から持続可能なツーリズムの現状、課題、解決策について情報を収集する。 2)COP16が開催されるコロンビア・カリ市周辺で活動する団体CORFOPALが実施するプロジェクトサイト(担当者とは2023年4月~6月に本学にて共同研究)で現地調査に基づくケーススタディを行い、第三国の視点・取組を収集する。 3)日本国内の現地視察で日印比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
オープンアクセスのAPCが免除されたことにより、経費が削減できたため、次年度使用額が発生した。 次年度には、インドにおいて研究成果の報告・普及を予定していたが、外国人特別研究員がフェローシップが終了して帰国後に独自に行うこととし、このために予定していた予算と次年度使用額を合わせて第三国での研究を行うことで、研究の向上を図ることとする。
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