外国人特別研究員のパフチャレク氏は、多摩美術大学所蔵資料、草間彌生スタジオのアーカイヴ、草間彌生美術館の資料調査を実施した。その結果、草間の文学作品を中心とした貴重な資料を発見し、これまで国内外で深く分析されてこなかった草間彌生の文学活動の側面を再発見した。 2023年3月25日には、多摩美術大学上野毛キャンパスにおいて、研究代表者、パフチャレク氏の共同主催により、「草間彌生の文学芸術」(The Literary Art of Yayoi Kusama)の国際シンポジウムを開催し、草間の文学作品を芸術作品と同等に見る必要性を示した。本シンポジウムは草間彌生の文学作品に特化した初の国際シンポジウムで、意義のあるものとなった。 2023年度は、同シンポジウムの成果を、2024年に日本語と英語で出版される予定のある学術出版物の翻訳・編集などの準備を行った。 なお、この書籍には以下の文章が掲載される予定である: 「草間文学の紹介」ー「社会関与の著作家」パヴェウ・パフチャレク;「草間彌生の言語宇宙」谷川渥;「小説における絵画-『聖マルクス教会炎上』」建畠晢;「芸術と詩における草間の宇宙観」アレクサンドラ・モンロー。 また、パフチャレク氏は、「クイア・アートと草間彌生」をテーマにした招待講演を京都大学大学院文学研究科・文学部(2023年6月20日)と京都市立芸術大学総合芸術学専攻(2023年6月15日)において行った。
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