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2023 年度 実施状況報告書

アンギオテンシン受容体のベータアレスチンを標的にした新規肺線維症治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0359
配分区分基金
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

江本 憲昭  神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30294218)

研究分担者 RAMADHIANI RISA  神戸薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード特発性肺線維症 / βアレスチン / アンギオテンシンⅡ 1型受容体
研究実績の概要

特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)は進行性で予後不良の疾患である。現時点で臨床現場で使用されている薬剤は進行を抑制する効果は認められるものの有効性は限られており、全く新規で有効な薬剤の開発が望まれている。IPFの病態にアンギオテンシンⅡ 1型受容体(AT1R)のβアレスチン経路が関与していることが示唆されており、AT1Rのβアレスチン経路を選択的に阻害することが、IPFに対する新たな治療戦略になる可能性が期待される。本研究では新たな作用機序を持つIPF治療薬の開発を目的として、アンギオテンシンⅡ 1型受容体のβアレスチン経路を標的とした小分子を単離・同定し、これを薬理学的に解析することを目的とする。
結合シミュレーションでヒトAT1Rに高親和性結合する小分子の探索を実施し、500万個の公知化合物から候補化合物として200分子を選択した。これらの化合物のβアレスチン経路の阻害作用とポテンシーをSplit Luc HEK293 AGTR1 β-Arrestin-2 Cell Lineを用いてハイスループットスクリーニングを実施した。またAT1R がGq/11 を活性化すると細胞内Ca2+濃度が上昇するので、これを蛍光Ca2+指示薬Fluo 4 で測定することでGタンパク経路の活性を検出できる。これら2 方法を用いて、各分子をハイスループット解析し、Gタンパク質経路に影響を及ぼさず、βアレスチン経路を選択的に阻害する化合物を選択する。当該年度は150化合物についてスクリーニングを実施した。前年度と合わせて合計200化合物についてスクリーニングを実施し、βアレスチン経路を選択的に阻害する化合物を得ることはできなかった。しかしながら、アンギオテンシンⅡの存在下で興味深い挙動を示す化合物を2化合物同定できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的であるβアレスチン経路を選択的に阻害する化合物を得ることはできなかったものの、アンギオテンシンⅡの存在下で興味深い挙動を示す化合物を2化合物同定できたため。

今後の研究の推進方策

今回のスクリーニングでは、200化合物のスクリーニングの結果、βアレスチン経路を選択的に阻害する化合物を同定することはできなかった。一方、アンギオテンシンⅡの存在下で興味深い挙動を示す化合物を2化合物同定できたため、今後はこの化合物について、さらに詳細な薬理学的特性の解析を実施する。また、これらの化合物をブレオマイシン誘発性の肺線維症モデルマウスに投与し、生体での有効性について検討することを考慮する。

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していたスクリーニングに必要な試薬や消耗品について、前年度に購入し未使用の物品を用いて実験が遂行できた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を合わせて、同定した2化合物の薬理学的特性解析に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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