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2023 年度 実施状況報告書

日琉祖語で再建される語の語形成の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0370
配分区分基金
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

CELIK KENAN  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 特任助教 (70825596)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
キーワード日琉祖語 / 琉球祖語 / 語彙 / アクセント
研究実績の概要

令和5年度は研究計画に従って三段階に分けて研究を実施した。
①琉球諸語の語彙調査:南琉球を中心に、アクセントと語彙調査を実施した。特に、調査の結果、殆どの八重山語諸方言のアクセント体系について、韻律語と呼ばれる単位が有効であることと、琉球祖語に遡る3つのアクセント型が対立することが明らかになった。これらの結果について小浜方言の三型アクセント体系を対象とした論文を投稿した他、研究会で竹富方言、鳩間方言などについて発表を行った。その中で、さらに、西表島西部の4つの方言を対象に行ったアクセント・語彙調査の結果、これらの方言の先史において、音調発生が起きていることが分かった。この音調発生は場合によって八重山祖語のアクセント体系の再建にとって大きな意味を持つ可能性がある。
②語彙データのデータベース化:調査で得られたアクセントおよび語彙データのデータベース化を進めた。具体的には、アクセント付きの八重山語西表西部諸方言の語彙集を整備・作成した。また、宮古語の与那覇方言を対象に、アクセントと語彙データをまとめ、その整備を進めた。
③琉球祖語のデータベース編集作業:去年度に引き続き、琉球祖語の「辞典」を編集し、それに関する論文を投稿し、「UniCog」の名前でVersion 1 を公開した。現段階のUniCogは琉球諸語に分布する8,000以上の同源語項目に達している。また、各項目に対して、語構成の情報アノテーション作業を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次の2つの理由に基づき、本研究がおおむね順調に進展していると言える。
①:日琉祖語の再建の元となるアクセント・語彙データの収集は順調に行われている。
②:日琉祖語の再建のために欠かせない琉球祖語の再建に大きく貢献するUniCogを公開することができた。

今後の研究の推進方策

本年度(令和6年)は去年度に続き、次の研究を実施する予定である。
①琉球諸語の語彙調査:引き続き、南琉球を中心にアクセントおよび語彙データを調査する予定である。
②語彙データのデータベース化:調査で得られるデータをデータベース化すると同時に、既存のデータに対して、UniCogの同源語IDの付与作業を継続して行う。
③琉球祖語のデータベース編集作業:UniCogの編集作業を継続して行うとともに、日琉祖語に遡る語の認定作業を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 南琉球八重山語小浜方言の三型アクセント体系2024

    • 著者名/発表者名
      セリック ケナン、麻生 玲子
    • 雑誌名

      音声研究

      巻: 28 ページ: 1~16

    • DOI

      10.24467/onseikenkyu.28.1_1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 琉球祖語の再建に向けた比較データ構築用の枠組提案(UniCog)2024

    • 著者名/発表者名
      セリック ケナン、中澤 光平、麻生 玲子
    • 雑誌名

      国立国語研究所論集

      巻: 26 ページ: 69~97

    • DOI

      10.15084/0002000156

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 八重山祖語の系列再建に向けた小浜方言のAB/C の所属資料2023

    • 著者名/発表者名
      セリック ケナン、麻生 玲子、中澤 光平
    • 雑誌名

      アジア・アフリカ言語文化研究

      巻: 106 ページ: 111~131

    • DOI

      10.57275/ilcaajaas.2023.106_111

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 八重山語西表西部諸方言における音調発生2024

    • 著者名/発表者名
      セリック・ケナン, 荻野千砂子, 五十嵐陽介
    • 学会等名
      日本方言研究会第118回
  • [学会発表] 南琉球八重山語における三型アクセント体系のさらなる報告2023

    • 著者名/発表者名
      セリック・ケナン, 麻生玲子
    • 学会等名
      日本言語学会第167回

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公開日: 2024-12-25  

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