研究課題
本年度も琉球列島の先史時代遺跡群を対象に、複数の遺跡から出土した魚類遺存体の再同定、同位体分析、タンパク質分析実施することができた。同じく琉球列島週殿魚類遺存体資料のみでなく、比較の視点として東南アジアのウォーレシア海域に位置する島々から出土した更新世および完新世前期に遡る魚類遺存体のほか、オセアニアの島々で出土した遺跡産魚類の同位体分析とタンパク質分析を継続して実施した。同位体分析に関しては、京都の総合地球環境学研究所の協力のもと、琉球列島、東南アジア、オセアニアより出土した遺跡産魚類を対象とした分析を実施・完了した。タンパク質分析に関しても、奈良女子大との協力のもと同定分析を進めたほか、イギリスのマンチェスター大学とも共同し同定分析を行った。いずれも良好な結果が出ており、現生標本から得られている同定結果と照らし合わせつつ、さらなる分析を実施・完了した。これらの作業と並行し、本年度もこれまでの研究成果を、積極的に国内外の学会や研究会にて発表したほか、複数の国際学術誌にて公表することができた。とくに本年度はオーストラリアのケアンズで開催された世界動物考古学会にて、小野がセッションを組み、海域アジアやオセアニアにおける動物考古学研究の最新の成果の発表と議論を進めたほか、小野とブランジェによる共同研究の成果を複数発表することができた。またブランジェは国際的な学術誌への論文掲載だけでなく、これまでの研究成果を英語でまとめた学術本も刊行しており、多くの研究実績を得ることができた。
すべて 2023 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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