研究課題/領域番号 |
21F50068
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
有賀 克彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50193082)
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研究分担者 |
BHADRA BISWA 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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キーワード | ナノ物質 / 多孔体 / 物質除去 |
研究実績の概要 |
炭化フッ素化合物は、低出生体重症、免疫系疾患、がんなどを引き起こす恐れのある物質ということがアメリカ合衆国環境保護庁から報告されている。吸着材として開発する多孔性物質は、様々な孔径の MOF、複数金属の導入も含む金属イオンをモディファイした MOF、ポスト修飾により様々な官能基を導入した MOF、あるいはそれらを炭化した多孔体を用いる。これらの多孔体材料によりターゲットである炭化フッ素化合物の除去を検討する。本研究では、水からのパーフルオロオクタン酸などの様々な炭化フッ素化合物の合成多孔体による除去を行う。炭化フッ素化合物は、低出生体重症、免疫系疾患、がんなどを引き起こす恐れのある物質ということがアメリカ合衆国環境保護庁から報告されている。しかしながら、炭化フッ素化合物は、通常の有機物質とは異なり、炭化水素化合物とさえ混合せずまた表面エネルギーが低く他物質へと吸着しにくいなどの特殊な性質を持っている。したがって、分子認識の観点から言っても、大変戦略の立てにくいターゲットである。その難ターゲットに対して、網羅的なアプローチで取り組む。本年度は、本研究の基盤技術を打ち立てることを目的とし、吸着材として開発する多孔性物質は、様々な孔径の MOF(Metal-Organic Framework)、複数金属の導入も含む金属イオンをモディファイした MOF、ポスト修飾により様々な官能基を導入した MOF、あるいはそれらを炭化した多孔体の開発を主眼に行った。短期間であったが、これらの物質の構造を、様々な電子顕微鏡、比表面積解析、赤外分光スペクトルなどによって評価し、今後の研究指針の礎となるデータが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開始後数か月であるが、予定していた研究が着実に進みつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には、これらの多孔体材料によりターゲットである炭化フッ素化合物の除去を検討する。各ターゲットに対するベストな多孔体の決定と同時に、疎水相互作用、静電相互作用、水素結合、配位結合などの様々な相互作用が、炭化フッ素化合物の吸着・認識にどう働くのかを体系づける。この知識は、超分子化学・分子認識化学の分野でも確立されてはおらず、学術的にも意味のある成果となる。
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