研究課題/領域番号 |
22KF0389
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
有賀 克彦 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, グループリーダー (50193082)
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研究分担者 |
SHINDE PRAGATI 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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キーワード | ナノ物質 / キャパシター / 熱電材料 |
研究実績の概要 |
本研究では、熱エネルギー(温度差や体動時に発生する人体熱)を単一デバイスで回収・蓄積し、スマートフォンや埋め込み型ポータブル電子機器に電力を供給できる新しい自己充電型パワーデバイスを開発することを目的とする。熱を蓄えた電荷(電気)に変換する熱電変換型スーパーキャパシタを開発する。近年、エネルギー集約と貯蔵の両機能を1つのデバイスに統合した自己充電型電源ユニットとして、熱電変換型スーパーキャパシタが開発されている。ただし、現存のデバイスでは、電気化学電池に比べてエネルギー密度が低く、セル電圧が低い、自己放電が大きい、充電に外部電源が必要などの大きな制約がある。そこで本研究は、温度依存性のある酸化還元活性電極材料と温度感受性イオン伝導性固体電解質を組み合わせることで、温度勾配を容易に維持し、熱電エネルギー変換効率が十分に高いデバイスの開発を行う。高エネルギー密度、高出力密度、長サイクル寿命を有する熱電変換型スーパーキャパシタ用の新規ハイブリッド材料を設計・開発する。水熱や共沈などの簡単な化学手法を用いる。電極と異なる高分子ゲル電解質の設計を改善するための指針を策定し、広い電圧範囲でのサイクル劣化に対する安定性(50,000 サイクル以上)に優れた新規の感温性酸化還元活性ポリマーゲル電解質を開発する。熱電変換型スーパーキャパシタの自己充電性能は、デバイスの両端に高温と低温を印加することでテストする。2023年度は、様々な物質の開発と電気化学特性の検討に成功し、複数の学術論文の発表を達成した。そのうちの一つは top 1% 論文として評価されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の発表論文があるなど順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には、セル性能を最適化し、最大化すること目的とする。標準的な厚さ(100μm)のゲル電解質膜を作製し、2枚の電極で挟む。電気化学的手法として、サイクリックボルタンメトリー、ガルバノスタティック充放電、電気化学インピーダンス分光法を用いて、比容量、電解質イオン輸送速度、充電メカニズムなどの電気化学的特性を調べる。熱電変換型スーパーキャパシタの自己充電性能は、デバイスの両端に高温と低温を印加することでテストする。これらの得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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