研究課題/領域番号 |
22F22706
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
森 孝雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー (90354430)
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研究分担者 |
ABBASSI LINDA 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2022-11-16 – 2024-03-31
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キーワード | 熱電材料 |
研究実績の概要 |
特別研究員は、FeGe相を得るために、4つの合成ルート、すなわちプロセス、を検討した。試行した単独の合成ルートでは、FeGe相の単相がなかなか得られないことが明らかになったが、合成ルートの組み合わせなどを工夫した結果、アーク溶解、ボールミリング、アニーリングを組み合わせることで、FeGe相が得られることを示した。ただし、Spark Plasma Sintering(SPS) を使用した焼結後、サンプルの相対密度は 75% にしか達しないことが分かった。制限要因が圧力であることを明らかにした。この材料では、FeGe + FeGe2 に分解されるために焼結温度が 500°C に制限されているためである。500 MPa の圧力に達成できるように、特殊なダイを購入し、緻密な試料の合成を開始した。 一方で、ドープされた FeGe粉末を用意することに成功した。高熱電性能につながる目安として 14 に近い価電子数 (VEC) をターゲットにして得るために、Al、Sn、Sn + Ru などのさまざまなドーピング元素を調査して、Alが有効なドーピングをできることを明らかにした。 また、特別研究員は合成ルートをいろいろ調べる過程で、Fe5Ge3相が非常に生成しやすいことに気付いた。その結果、この相は、わずか 1 時間のボールミル粉砕と、それに続く 50 MPa の一軸圧力下で 750°C で 5 分間の反応焼結を使用して得ることがでっることが分かった。この材料の熱電特性は非常に貧弱であるが、予想外に派生した結果として、この相は約 200°C の高いキュリー温度を示し、スピントロニクス アプリケーションにとって興味深い材料系になる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始前からターゲット材料系は合成が難しいことが予測されていたが、複数のプロセスで、粉末の合成に成功した。また、ドーピングに有効な原子種も明らかにしたのは良い成果である。一方で、緻密化が困難な材料であるが、高圧を到達できる特殊なダイを購入して、緻密を可能にした。また、この相は約 200°C の高いキュリー温度を示し、スピントロニクス アプリケーションにとって興味深い材料系になる可能性があり、予想外に派生した成果も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、特に、鉄ゲルマナイド材料のナノ構造制御による高性能化材料の研究開発を進める。同時に、そのフォノン散乱が、キャリア制御による高性能化、すなわち電荷散乱とできるだけ共存できるような、選択的なフォノン散乱を目指す。これまで知見がある、平均自由行程の違いを利用した多孔などによるナノ構造化手法を活用する。年度後半には、独自開発した鉄ゲルマナイドの熱電材料を活用して、こうした材料系では初めての熱電発電モジュールの試作を進め、発電能の評価も試みる。現有設備は1年目と同様に合成装置と評価装置に加え、モジュール評価装置も活用し、本研究費により、原材料費、合成装置消耗品、測定装置消耗品費、および、研究成果を国内と外国の会議に発表するための旅費や参加費を計上した。
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