研究課題/領域番号 |
22KF0419
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
伴野 雅之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (80549204)
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研究分担者 |
NGUYEN QUANG 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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キーワード | 衛星 / 水深推定 / 波崎海岸 / リモートセンシング / SDB / Sentinel2 |
研究実績の概要 |
本研究ではリモートセンシングにより沿岸漂砂の時空間分布を推定することを目的としており,2023年度においては衛星画像から沿岸域の水深を推定する手法(Satellite Derived Bathymetry;SDB)を検討した。SDBは近年注目されているリモートセンシング技術であるが,高波浪が作用する鹿島灘のようなダイナミックな沿岸域での推定については,必ずしも十分に検討が行われていなかった。そこで本研究では,茨城県鹿島灘沿岸部を対象として,衛星データのRGBバンドおよびマルチバンドのパラメータ値をもとに,各バンドの比率などを説明変数とした経験的なモデルによる水深推定手法と複数の機械学習手法(CatBoost,Random Forest,Support Vector Machine,Light Gradient Boosting Machine)による水深推定手法を比較した検討を行った。なお,衛星データにはSentinel-2のデータを利用した。検証データとしては,2016年,2018年,2020年に実施された音響測深等によって得られた現地の深浅図を用い,深浅測量の実施日と最も近い衛星写真をもとに学習と検証を行った。その結果,CatBoostによる推定が3年間のすべてのデータセット(水深~15mまで)で非常に良好であることが示された。なお,水深7m未満では平均RMSE値は0.5m未満であり,実用性も非常に高いことが示された。このようなリモートセンシングによる水深推定技術は従来の船舶を利用した音響測深と比較して圧倒的に低コストで広範囲の水深を得ることができることから,沿岸漂砂量の推定や地形変化メカニズムの解明に大きく寄与できるものである。
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