研究課題/領域番号 |
22KF0423
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
野牧 秀隆 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 上席研究員 (90435834)
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研究分担者 |
SALONEN IINES 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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キーワード | 単細胞真核生物 / 共生 / 遺伝子発現解析 / マイクロバイオーム |
研究実績の概要 |
底生有孔虫Chilostomella ovoidea細胞内に見られる、葉緑体様構造、および藻類由来のミトコンドリアのFISHによる局在観察を行い、有孔虫細胞内に藻類由来の細胞小器官が局在(葉緑体様構造)、偏在(ミトコンドリア)していることが確認された。ミトコンドリアについては、有孔虫オリジナルのミトコンドリアとそれぞれがクラスター状に分布しているようであり、これは透過型電子顕微鏡像で見られた細胞質とミトコンドリアの塊状のクラスターに相当すると推測された。沖縄の研究協力者とともに、それぞれの細胞小器官についてゲノムを構築することに成功し、葉緑体様構造ではおそらく数十万年以上前に有孔虫細胞内に取り込まれ細胞小器官として機能していること、光合成能がほとんど失われており機能が非常に限られていること、アミノ酸の代謝と硫黄代謝に関連した機能が推測されること、が明らかになった。また、ミトコンドリアも同様に藻類から取り込まれゲノムが縮退し有孔虫のミトコンドリアと共役していることが示唆された。その他、相模湾漸深海帯から採取した有孔虫についても共生微生物のゲノム解析、局在解析を行い、種ごとに異なる微生物がおそらく異なる代謝機能を持って有孔虫と共生していることが示された。これらの結果について論文にとりまとめるとともに、6月にイタリアで行われた国際学会で成果を発表した。なお、2023年度の研究期間は4月から8月の5か月間である。
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