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2023 年度 実績報告書

数値モデルを用いた永久凍土変動に対する気候変化の影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 22KF0425
配分区分基金
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

朴 昊澤  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), グループリーダー代理 (10647663)

研究分担者 HU GUOJIE  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(北極環境変動総合研究センター), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
キーワード地球温暖化 / 永久凍土 / 陸面過程モデル / 将来予測モデル
研究実績の概要

地球温暖化の影響を受けて変化し続けている永久凍土関連の諸プロセスを正確に評価・予測するために、凍土内の水・熱フラックスに水蒸気フラックスをカップリングしたモデルを開発し、それを陸面過程モデルに結合し、検証を行った。また、観測データと将来予測モデルの計算結果を解析して、永久凍土の変化を牽引する気温の時空間変動を評価した。
凍土の温暖化を引き起こす主要因子である気温の時空間変化、特に永久凍土域を対象にした解析の研究が少ない。そのため、北半球の永久凍土域で得られた長期観測データとCMIP6に参加した23将来予測モデルの結果を用いて、1980ー2100年間の気温変化を解析した。その結果、凍土の温暖化は気温上昇の影響であり、不連続凍土帯より高緯度の連続凍土帯で、そして夏より冬の最低気温にその上昇率が大きかった。CMPI6の計算結果も観測データと同様の結果を示し、温室効果ガスの排出量の多いSSP5-8.5で気温上昇率が最大であった。これらの結果は、今後気温上昇の影響により永久凍土の衰退がさらに進行していくことを示唆する。
23個のCMIP6モデル間の土壌の深さが大きく異なること、土性・土質の鉛直分布の表現が荒いこと、凍土内に分布している地下氷のプロセスを考慮していないこと、そして土壌の融解・凍結における水蒸気フラックスを考慮していないことなどが、モデル間の予測結果の相違に影響していたことが分かった。その結果を踏まえて、陸面過程モデルにおいて土壌の深さを70mに拡張して、シベリアの観測サイトであるティクシに適用して、氷・岩石・土性の鉛直分布が凍土の地温に及ぼす影響を評価した。そこで、地下氷の潜熱効果により凍土の温暖化が5-20年遅れることを確認した。この結果は、陸面過程モデルと気候モデルにおいて土壌の物理的構造に対する改善が求められることを指摘する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Water and heat coupling processes and its simulation in frozen soils: Current status and future research directions2023

    • 著者名/発表者名
      Hu Guojie、Zhao Lin、Li Ren、Park Hotaek、Wu Xiaodong、Su Youqi、Guggenberger Georg、Wu Tonghua、Zou Defu、Zhu Xiaofan、Zhang Wenxin、Wu Yifan、Hao Junming
    • 雑誌名

      CATENA

      巻: 222 ページ: 106844~106844

    • DOI

      10.1016/j.catena.2022.106844

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Contribution of water rejuvenation induced by climate warming to evapotranspiration in subarctic boreal forest2023

    • 著者名/発表者名
      Hotaek Park, Tetsuya Hiyama, Kazuyoshi Suzuki
    • 学会等名
      Seventh International Symposium on Arctic Research
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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