東カザフスタンの重要遺跡であるベガシュ、ダリ、コーケンの三遺跡から出土した土器をカザフスタンにおいてサンプリングし、奈良文化財研究所において化学処理を経て抽出した残存脂質をGC-MS, さらにGC-c-IRMS(ヨーク大学)により分析した。その結果、青銅器時代前期、紀元3千年紀中ごろには同地域においてキビや乳製品が調理体系の中に組み込まれていたことが明らかになった。本研究により、「先史時代の食のグローバリゼーション」と呼ばれる東西の異なる食文化の邂逅の様相を見事にとらえるという画期的な成果をあげることができた。現在は、データの整理が完了し、国際誌へ投稿する論文を執筆中である。
|