研究実績の概要 |
本研究では,中国語を母語とする日本語学習者による日本語自然会話データ中に見られるフィラーの母音の音響的特徴について検討し,日本語母語話者によるデータと比較を行なった。自然会話におけるフィラーの母音と通常単語中の母音の差異についても検討した。その結果,韻律および声質に関連する音響特徴(duration, F0mean, intensity, spectral tilt-related indices, jitter and shimmerなど)に関して,日本語母語話者と中国人日本語学習者の間および,フィラーの母音と通常単語中の母音の間に,顕著な差がみられた。さらに, 機械学習法random forestを用いた分析では,フィラーか通常単語の母音かの分類にduration と intensityが最も重要な手掛かりとなり,声質的特徴も貢献していることが明らかになった。これらの研究成果をまとめた論文が国際会議SpeechProsody2022で採択され、オンラインで発表を行った。 また,日本語母語話者による日本語態度音声と,外国人日本語学習者による日本語態度発話が態度および発話者群によってどのように変化するのかについても検討を進めてきた。
|